2012 Fiscal Year Research-status Report
第二言語のルール学習が母語の高次操作を創出するメカニズムの教育心理学的研究
Project/Area Number |
23530856
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Research Institution | Hyogo University of Teacher Education |
Principal Investigator |
吉國 秀人 兵庫教育大学, 学校教育研究科(研究院), 准教授 (30343734)
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Keywords | 教育系心理学 / 第二言語 / ルール学習 / 母語 |
Research Abstract |
本研究は,19年度~20年度科学研究費補助金若手研究(B)で示した母語に関連する素朴理論からの干渉とその抑制を含む「英語の応答に関する認知プロセス」の研究を更に発展させることを目指している。3年計画の2年目にあたる今年度の主たる研究目的は,素朴理論からの干渉が予想される英語のルール学習場面で,(1)「視点切り替え」と「関係操作的思考」を組み込んだ教授方略が,異なる構造を持つ課題に対するルールの適用へ影響を及ぼすのかを明らかにすること(2)英語のルール学習において,学習者内で日本語理解の深化が促されるメカニズムを探究することであった。 これまでに実施したインタビュー調査の結果をもとに学会発表を行い,心理学研究者との討論を行った。インタビュー調査によって読み物読解中の確信度の推移を調べることができ,英語の否定疑問文への応答に関わる回答が,徐々に確信を持って行えていた様子が伺えた。次に,これまでの討論の結果をふまえて,新たな読み物教材が作成された。この新たな読み物教材の読解による学習前後の変化について,主に量的データとして,質問紙にて調査した。調査結果に基づき,主として(1)読み物読解中に,動作を伴って自身が伝えたい意志を再確認することも取り入れた場合に,英語のルールに基づいた正応答がどの程度見られるか(2)英語と母語である日本語の相対化について回答理由として多く選択されるものはどのような内容かを検討した。さらに日本語に関する自覚化の側面も併せた検討を行っていくことが,次年度の課題として残された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究の2年目の主目的に基づいて,調査結果を学会発表し,その検討結果に基づいて新たな実験を実施できたことは概ね計画に沿って進んだ点である。しかしながら,2年目までの成果を研究論文にまとめられていない課題点をふまえ,総合的には「やや遅れている」と判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
積極的に成果を公表するために,学会や研究会への積極的な参加とともに,論文として研究成果のとりまとめを行うなど,成果公表のための一層の工夫を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当無し
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Research Products
(2 results)