2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23530859
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
藤田 敦 大分大学, 教育福祉科学部, 准教授 (80253376)
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Keywords | 教授法 / 活用型学力 / 知識転移 |
Research Abstract |
既に学習した知識や技能を教科や領域の枠を越えて応用する能力としての「活用型学力」を育成する授業デザインを提案することが本研究の目的である。25年度は,過去に実践された授業記録(指導案と板書計画)を分析資料とし,転移や般化を促進する条件を満たす具体的な教授活動と学習活動を抽出・分類した。具体的には,小学校の国語・算数の授業記録全452件を収集し,そこに含まれている教授学習活動を,前年度に作成されたカテゴリー別に分類した。 その分析結果も含め,「活用型学力」の育成に関わる授業を構成する教授学習行動を次のように整理した。【導入時】①子どもの生活世界から学習内容に関する具体例を選択,②学習内容と関連する生活世界の中の事象を想起,③学習者にとっての学習内容の意味や価値を説明,④既習内容を確認し,新たな学習内容と関連性を示唆。【課題提示】①具体的文脈を付与した例題を提示,②工作的発問形式で課題提示,③学習活動の目標と意義を明確にして,学習活動への動機付けを高める。【主学習活動】①既習内容(解法や知識)への注目を促し,現在の学習課題との関係性を示唆,②課題の構造・特徴を言語化・分解・換言・変換操作させる,③自他の考えを,比較,分類,関連づけ等を行うことで整理。【確認・検証】①学習活動によって得られた結論を,一般化されたルール形式(法則,教訓)で表現(教訓帰納),②他者に対して言語的な説明を行う,③類似課題により結論の妥当性を検証。【応用・発展】①タイプの異なる課題提示や比較,反例の提示によって,結論の応用可能な範囲を確認,②ルールが適用可能な問題を作題,③結論を別のことばで表現・説明,④他の単元・教科内容との関係性を示唆。【終結時】①本時の学習内容の全体を抽象的なルール形式により表現,②ルールの要素と個々の学習活動の要素を対応付け,③新たな課題への関連性・発展性の予告をする。
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