2011 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23530861
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Research Institution | Bunkyo Gakuin University |
Principal Investigator |
村井 潤一郎 文京学院大学, 人間学部, 教授 (50337622)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 剛史 文京学院大学, 人間学部, 教授 (30334022)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 心理学 / 心 / 心理学者 / 面接 / 語り / テキストマイニング / 描画 |
Research Abstract |
本研究では,多領域の心理学者への面接を行い「心理学とは何か」「心とは何か」といった質問に対する心理学者の語りをもとに,心理学・心の本質の一端について探索した。面接は,一対象者あたり1時間半~2時間で行われた。質問は「心とは何か」「心理学とは何か」「心理学に関心をもつきっかけ」「心理学者としての影響を与えた人物,出来事など」「子どもの頃,心について関心をもったと思える最初のエピソード」「心理学の今後の方向性」などを基本とし,適宜質問を補った。途中,心のイメージについて,クーピーペンシルを用いての描画を求めた。 現在も面接を継続中であるが,ここでは2名の対象者A,Bに共通する特徴について述べる。なお,録音データについては,そのすべてを書き起こし,テキストマイニングを行った。A,Bともに,専門としての心理学の選択が,心理学を目指して自律的に進んできたというよりは,多分に他律的であった。他律的とは言え,その前提には,それまでの人生を通して醸成された,広い意味での心への興味・関心という潜在的エネルギーがあり,外的要因に導かれ心理学にたどり着く,という構図が見て取れた。動物への言及も共通していた。描画では,人型の外側に絵を描く,つまり心を人の内に閉じ込めない点も共通した。この点は,上述の他律性,動物への深い思考,に関連するだろう。テキストマイニングの結果,Aは「自分」への言及が最頻値であるのに対し,Bは「自分」への言及は頻度14にとどまり,一方で「心」への言及が群を抜いていた点が異なる。逐語録上では,「自分」を中心に据えたAの語り,「心」を中心に据えたBの語り,という対照は見えつつも,実際の語りを聴いた印象では,そこまで顕著な差異は感じられなかった。以上,2名の心理学者の語りを通して,心理学,心の重要な一端に触れることができたと考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究初年度より,データ収集を始め,解析も順次進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
・初年度に収集した面接データの検討。・さらなる面接の遂行,及び面接データの検討。・関連する諸研究の検討。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
・さらなる面接の遂行に伴う謝金(面接協力など),物品費(テープ起こしなど)。・研究遂行に必要な知見収集・研究発表のための学会出張に伴う旅費。・打ち合わせなどのための研究出張に伴う旅費。・機器,ソフトウェア,書籍などの物品費。
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Research Products
(1 results)