2013 Fiscal Year Annual Research Report
インクルーシブ保育・教育における日常活動の参加を支援するシステムの研究
Project/Area Number |
23530867
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Research Institution | Shirayuri College |
Principal Investigator |
秦野 悦子 白百合女子大学, 文学部, 教授 (50114921)
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Keywords | インクルーシブ保育・教育 / 日常活動参加 / 特別支援児 / 保育支援 / インフォーマルアセスメント / コンサルテーション |
Research Abstract |
「インクルーシブ保育・教育における日常活動の参加を支援するシステムの研究」では、 就学前のインクルーシブな保育・教育集団において、遊びと生活を通して子どもと保育者を支援するシステムを検討することを目的とした。特別支援児は、興味や関心に焦点化しがちで集団活動への参加や適応の問題が指摘された。子どもに対する具体的な支援として、認知特性にあわせた個別支援だけでなく、日常の集団生活における遊びや活動に対する参加への支援を焦点化し、「関係の中の個人」と「日常活動への参加」をキーコンセプトとして、共同注意、共同行為を作り出す保育・教育面での介入と、インクルーシブな保育・教育現場で活用しうる支援試案を検討した。 その結果、第一に、3歳児クラス以上の担任1,068名に対する質問紙調査より「保育参加における行動評定シート(秦野・瀬戸,2012)」を作成した。これは、衝動7項目、語用5項目、情動調整4項目、場面適応5項目、社会関係性4項目からなる5因子および特記事項6項目の計31項目から構成された。第二に、保育課題場面および検査場面の行動観察記録から抽出し「検査時の行動観察評定シート(秦野・瀬戸,2013,)」を作成した。これは、注意11項目、情動調整6項目、語用5項目、コミュニケーション4項目、課題動機2項目、巧緻性4項目という6カテゴリー32項目から構成された。最終年度には、これらの評定シートを協力園で実践に活用し、定期的に事例検討会を行いうことにより相互スーパービジョンを実施した。特別支援児が、保育集団によってどのようなパーソナルネットワークを持ち、そこに保育者がどのように関わるのかという視点でネットワーク分析を行うための予備的観察を実施し、今後の研究の展開に向けての基礎データを蓄積した。
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Research Products
(12 results)