2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23530872
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Research Institution | Tokyo Future University |
Principal Investigator |
中川 佳子 東京未来大学, 公私立大学の部局等, 教授 (50389821)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小山 高正 日本女子大学, 人間社会学部, 教授 (20143703)
武居 渡 金沢大学, 学校教育系, 准教授 (70322112)
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Keywords | 生涯発達 / 言語発達 / 文法発達 / 聴覚障害 / 高齢者 / 発達障害 / 言語発達検査 / 認知症スクリーニング |
Research Abstract |
(1)コミュニケーション障害児・者における日本語理解力の横断的調査 本研究では、自閉症スペクトラム障害児・学習障害児・ADHD児・聴覚障害児を対象にJ.COSS日本語理解テスト(中川他,2010)を実施し、これらコのミュニケーション障害児の日本語文法理解力を横断的に調査した。その結果、聴覚障害児における書記日本語理解力の発達過程は、3歳から12歳までの幼児や児童の発達過程と比較すると、全般的な遅滞と、受動文や助詞・比較表現の理解に困難が示された。これらの結果をまとめ、コミュニケーション障害と日本語文法理解の特異性を現在論文として執筆中である。 (2)コミュニケーション障害の認知基盤と教育支援方法の開発 社会的慣習能力の1つである共同注意が養育者と子どもの間で成立していることが言語獲得に必要であると考えられている。そこで、本研究では、絵本の読み聞かせ場面と、積み木遊び場面、おもちゃ遊び場面における母子の共同注意による指さしを観察し、場面ごとの母子の指さし回数と言語発達との関係を検討した。その結果、月齢と言語発達能力が上昇するに従い、母親からの指さし回数が増加する傾向が示された(日本発達心理学会,2014)。一方、聴覚障害児を対象に、能動文-受動文置換問題による教育支援を行い、受動文の理解が促進された。また、自閉症スペクトラム障害児を対象に、絵・文・視覚的手がかりを用いた教育支援を行い、日常生活において受動文理解が促進された。これらから、コミュニケーション障害児が示す文法理解の困難さや特異性は障害により異なることが示唆された。 (3)J.COSS日本語理解テスト改訂版の開発 教育や医療、福祉の領域で実施できるテストをめざし、J.COSS日本語理解テストと記憶テストを合わせたiPAD版ソフトウェアを開発した。現在、健常児やコミュニケーション障害児への実用性を検討中である。
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