2012 Fiscal Year Research-status Report
子育て環境が養育者の生きがい感形成プロセスに与える影響に関する実証的研究
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23530878
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Research Institution | Osaka Ohtani University |
Principal Investigator |
熊野 道子 大阪大谷大学, 教育学部, 准教授 (20413437)
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Keywords | 生きがい / 幸福(幸せ) / 子育て |
Research Abstract |
本研究の目的は、時間と状況の2次元からみた生きがい形成の価値過程モデル(以下、生きがい形成モデルとする)を構築し、乳幼児の養育者に適用して、乳幼児の養育者が生きがい感を形成する心理プロセスを明らかにすることである。上記の目的を達成するために、平成24年度においては、下記4つの観点から研究を行った。なお、これらの一部について、関西社会心理学研究会(KSP)と老年心理学研究会with臨床死生学・老年行動学研究会での研究発表を行った。 (1)生きがい形成モデルの構成要素の測定尺度の作成: 生きがい形成の価値過程モデル(熊野『生きがい形成の心理学』風間書房,2012)の構成要素を測定するための測定尺度を作成した。 (2)乳幼児の養育者世代における生きがい形成モデルに関する調査研究: 乳幼児の養育者世代(30歳代,男性400名,女性400名)を対象として、上記(1)で作成した生きがい形成モデルについてのウェブ調査を行った。データの統計解析を行うことによって、生きがい形成モデルが養育者世代に適用できることを確認した。 (3)乳幼児の養育者における子育て環境に関する検討: 乳幼児の養育者における子育て環境に関する文献収集や事例収集を行い、文献や事例の解析や評価を行った。その結果、乳幼児の養育者の生きがい感や幸福感に重要と考えられる子育て環境の要因を明らかにした。 (4)乳幼児の養育者の子育て環境と生きがい形成モデルに関する調査の準備: 上記(2)で検証した乳幼児の養育者世代の生きがい形成モデルと、上記(3)で検討した乳幼児の養育者における重要な子育て環境との関係を調査するための調査項目を作成した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
乳幼児の養育者世代における生きがい形成モデルを検証し、生きがい形成モデルが乳幼児の養育者世代に適用できることを確認した。また、乳幼児の養育者の生きがい感や幸福感に重要と考えられる子育て環境の要因を明らかにした。これらをもとに、乳幼児の養育者の子育て環境と生きがい形成モデルに関する調査を行う準備が整った。
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Strategy for Future Research Activity |
乳幼児の養育者の子育て環境と生きがい形成モデルに関するウェブ調査を行う。調査データに対して統計解析を行い、研究発表を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
文献研究、調査研究、学会等の研究集会への参加にかかわる費用が中心となる。
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