2013 Fiscal Year Annual Research Report
子育て環境が養育者の生きがい感形成プロセスに与える影響に関する実証的研究
Project/Area Number |
23530878
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Research Institution | Osaka Ohtani University |
Principal Investigator |
熊野 道子 大阪大谷大学, 教育学部, 准教授 (20413437)
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Keywords | 生きがい / 幸福(幸せ) / 子育て |
Research Abstract |
本研究の目的は、生きがい形成モデルを構築し、乳幼児の養育者に適用して、乳幼児の養育者が生きがい感を形成する心理プロセスを明らかにすることである。 これまでに行ってきた実証的研究から、生きがい形成において時間と状況の2つの重要な側面があることを見出し、神谷の生きがい論とセリグマンの幸福論について2側面から理論分析を行った(熊野『大阪大谷大学紀要』2012)。これまでの実証的研究や文献研究を統合し、時間と状況の2次元からみた生きがい形成の価値過程モデル(以下、生きがい形成モデル)を提案した(熊野『教育福祉研究』2011)。そして、生きがい形成モデルを構築するに至った心理学理論を説明するために、学術図書を出版した(熊野『生きがい形成の心理学』風間書房,2012)。 乳幼児の養育者世代を対象として、生きがい形成モデルについてのウェブ調査を行った。データの統計解析により、生きがい形成モデルの測定尺度として、生きがいプロセス尺度と生きがい状態尺度を作成し、その信頼性と妥当性を明らかにした(熊野『日心発表』2013)。そして生きがいプロセス尺度から生きがい状態尺度へ至る共分散構造分析を行い、生きがい形成モデルを検証した(熊野『教育研究』2013)。 さらに、この生きがい形成モデルの測定尺度を用いて、子育て環境の異なる乳幼児の養育者4群(共働き家庭と専業主婦家庭の男女)に対してウェブ調査を行った。そのデータの統計解析を行い、子育て環境の異なる養育者4群での相違についてまとめた。 本研究により生きがい形成モデルならびにその測定尺度を確立し、子育て環境の異なる養育者の生きがい感形成プロセスの相違について検討することができた。今後さまざまな対象における生きがい感形成プロセスを明らかにすることが期待される。
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