2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23530886
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Research Institution | National Research Institute for Child Health and Development |
Principal Investigator |
小泉 智恵 独立行政法人国立成育医療研究センター, その他部局等, 研究員 (50392478)
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Keywords | 不妊 / 生殖医療 / 生涯発達 / 人格発達 / 夫婦関係 |
Research Abstract |
今年度は、1)不妊受容尺度の標準化、2)不妊の受容のプロセスについて縦断データの解析、3)不妊治療後4年時点の不妊受容とそのプロセスについての質的研究をおこなった。 1)は、不妊受容尺度を難治性不妊女性(卵巣機能不全女性)を対象に実施し、本研究ですでに得られた不妊女性とその配偶者のデータと比較した。その結果、全群で不妊受容尺度の因子構造がほぼ同一であり、十分な内的一貫性が得られた。また、3群とも不妊受容尺度の否認因子を除くすべての下位尺度が不妊経験による人格発達を予測した。難治性不妊であるか否かは不妊受容が人格発達に及ぼす影響に関係しなかった。しかし、性別は不妊受容が人格発達に及ぼす影響に関係した(Koizumi,Saito, & Ishizuka, 2013;小泉, 2013)。 2)は、治療開始時点、治療中時点、最後の治療中、2012年時点の4時点の不妊受容尺度の縦断データを連結させ、統計解析した。4時点のデータがすべてある者は57人であった。2012年時点で治療終結した者のうち、子どもを持てた人(34人)は子どもを持てなかった人(6人)より下位尺度の怒り、取引き、落込みの変動が少なかったが、最終時点の受容得点は子どもを持てなかった人の方が高かった。 3)は、昨年度の追跡調査に回答した57人のうち、予め面接調査承諾のあった35人を対象に面接調査を計画した。連絡先不明、日程調整不可能を除いて、夫9人、妻19人が面接調査に参加した。方法は、不妊治療の経過、子どもを持ちたい気持ちの変化、治療経験による夫婦関係、ストレスコーピング、自己意識の変化、不妊経験の受容と成長について半構造化面接法を用いた。治療終結25人、調査期間内に治療で妊娠・出産し、次子希望で再び治療中3人であった。質的データの分析はSCAT(大谷,2008)を用いて設問ごとにコーディングをおこなった。
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