2011 Fiscal Year Research-status Report
国際比較による東アジア型スクールカウンセラーの全校支援モデルとツールの構築
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23530891
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
伊藤 亜矢子 お茶の水女子大学, 大学院人間文化創成科学研究科, 准教授 (50271614)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武田 信子 武蔵大学, 人文学部, 教授 (00247123)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | School Counseling / Whole school approach / classroom climate / consultation / United States of America |
Research Abstract |
<研究1 実践のためのツールづくり> Aアセスメントツール:11年度は、ポジティブ心理学で重視される個人の強さを多面的に評定する質問紙を整備し前年度を含めて計4校約1400名の基礎データを収集し分析した(一部発表予定、分析継続中)。また、いじめやレジリエンスに関する項目も含めた質問紙の訳出を準備し国際共同研究の準備を行った。 Bコンサルテーション:5~8月にはKorthagenモデル(武田,2010)を用いたリフレクションシートを作成し試行した。ある一定の効果はあるものの、単発では限界があり、実施に相応の工夫が必要と考えられた。12月には同モデルを米国で実践中のLau-Smith氏に詳細をお茶大で講義してもらい応用可能性を協議した。 C心理教育:5~11月には公立私立中学校にて心理教育授業を行い、学校・学年によるバリエーションを増やした。12月以降は、12年度に年間6回程度の比較的規模の大きい継続実施を計画し準備した。<研究2 テキスト作成> 7~8月に米国のSC国家基準執筆者であるDahir氏をお茶大に招聘し、氏の著作を基に、skype会議と現役SCのFocusグループによる内容検討・事例収集を行った。日米出版社との交渉を終え原稿執筆中また、10年度に作成したSC活用についての小冊子を出版し、これを用いた教員研修を試行した。さらにいじめ被害加害者の保護者面接についてのテキストを訳出しそれに基づく教員研修を試行した(翻訳継続中)。<研究3 SC制度とモデルの検討> 国際ネットワークを活用し、米国・香港等について情報収集を行い、文献研究を発表した。<研究4 サイトによるSC支援>前年度作成した学級風土質問紙(小学版・中学版)の自動分析システムをのべ45学級で試行し、見直しと改良を行い、より安定的で使用しやすく実践的なソフトを完成させた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
東日本大震災の影響で、招聘研究者の来日が延期される、学校状況に変化が生じて計画の立案実行に影響が出るなど、思いがけない事柄があった。
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Strategy for Future Research Activity |
<研究1 実践のためのツールづくり> Aアセスメントツール:約1400名の基礎データの分析を継続し、発表・論文化を進める。新たに訳出したいじめやレジリエンス項目を含む新版質問紙を整備し実施する。実施後国際比較の予定。 Bコンサルテーション:Korthagenモデル(武田,2010)について国内外の研究者との情報交換協議を継続し、方法を改良の上、教師研修などで試行する。 C心理教育:年間6回程度の教師による継続実施を行う。そのための教材整備や指導案・教師向けガイドなどの作成を継続する。<研究2 テキスト作成> Dahir氏との共著によるテキスト執筆を継続する。年度内に原稿完成をめざす。11年度に出版した小冊子等を用いた教員研修や、テキストに基づく実践事例を蓄積する。現在2校目に入ったいじめに関するテキストの監訳を終えて出版をめざす。<研究3 SC制度とモデルの検討> 香港に加え、韓国中国フィリピン等のSCの現状について情報収集を行い、それらをまとめ、国際比較調査を準備する。<研究4 サイトによるSC支援> 分析ソフトが完成したので、web入力やその他サイトについて準備を進める。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
<研究1 実践のためのツールづくり> Aアセスメントツール:データ分析のための統計的専門知識の提供に謝金が必要。今年度収集分データについて入力や分析の費用が必要。分析ソフトも購入予定。国内外の学会での成果発表(日本心理臨床学会・米国WPAを予定)に旅費が必要。 Bコンサルテーション:Korthagenモデル(武田,2010)について国内外の研究者との情報交換協議を継続するための旅費等が必要。C心理教育:年間6回程度の教師による継続実施を行う。そのための教材整備や指導案・教師向けガイドなどに資料購入費用や、教材作成にかかわる費用が必要。画像処理の可能なコンピュータが必要。<研究2 テキスト作成> 資料整理について謝金が必要。<研究3 SC制度とモデルの検討> 香港に加え、韓国中国フィリピン等のSCの現状について情報収集を行い、それらをまとめ、国際比較調査を準備する。情報収集に関わる旅費・資料購入費が必要。<研究4 サイトによるSC支援> 分析ソフトが完成したので、web入力やその他サイトについて準備を進める。ICT専門家による専門的知識の提供をうけるための謝金が必要。
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Research Products
(22 results)