2013 Fiscal Year Research-status Report
ロールシャッハ法における被検者の主観的反応評価を用いたアセスメント技法の開発
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23530893
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
伊藤 宗親 岐阜大学, 総合情報メディアセンター, 准教授 (10282310)
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Keywords | ロールシャッハ法 / 主観的反応評価 / 鑑別診断 |
Research Abstract |
本研究の目的は、ロールシャッハ法における主観的反応評価の鑑別上の意義(特に、精神病と重篤なパーソナティ障害などの非精神病との鑑別)を検討するものであった。 19名の精神病群と22名の非精神病群を統計的に比較した結果、両群において、主観的反応評価(10件法)の得点に有意差は認められなかったものの、以下のような結果が得られた。 すなわち、現実検討力と関連があると考えられる各指標(X+%, Xu%, Xu%など)と主観的反応評価との関連をステップワイズ法による判別分析によって検討した結果、精神病群にあってはXu%と主観的反応評価のみに有意な相関(r=-0.47, p <.05)が認められ、非精神病群にあってはXu%とX-%との間にのみ有意な相関が認められた(r=-0.60, p <.05)。 したがって、主観的反応評価は、精神病群において選択的に有効な指標となる可能性があることが示唆されている。今後、追加の解析を進める予定でいる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ほぼ、最終的な結論に達している。
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Strategy for Future Research Activity |
2014年7月開催の国際ロールシャッハ学会にて成果を発表予定である。その準備と並行して、追加の解析を進めているところである。 学会発表の後、関連学会へ論文を投稿予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
データの収集に遅延が生じ発表を計画していた国際学会にて発表が困難となり、替わって、他の国際学会(翌年度開催)にて発表を行うこととなったため。したがって、最終年度に執行予定であった発表のための旅費が次年度に繰り越されることとなった。 当該年度の支出には、上記、国際学会発表のための旅費が計上されている。
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