2011 Fiscal Year Research-status Report
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23530901
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
杉浦 義典 広島大学, 総合科学研究科, 准教授 (20377609)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 徳 富山大学, 人間発達科学部, 教授 (00422626)
伊藤 義徳 琉球大学, 教育学部, 准教授 (40367082)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | マインドフルネス / 注意機能 / 幸福感 / 調査研究 |
Research Abstract |
本研究の目的はマインドフルネスと幸福感の関連を検討することである。とりわけ,5つの焦点をもっている。(1)幸福感の中でも「幸せを味わう傾向」と「自己への慈しみ」に焦点をあてる。(2)注意機能がマインドフルネスと幸福感を媒介するかを検討する。(3)幸福感と心配との相互関係を検討する。(4)縦断調査によって変数間の因果関係を検討する。(5)コミュニティ調査によって社会経済的変数の影響を検討する。 平成23年度の成果の中心は,研究計画全体の基本として,マインドフルネス傾向を測定する尺度の日本語版の開発論文を公刊したことである。さらに,「幸せを味わう傾向」の尺度の日本語版を開発した。これによって,従来から用いられている主観的幸福感と心理的幸福感に加えてよりマインドフルネスに近縁性の高い幸福感も測定することが可能になった。さらに,マインドフルネスとの関連の深い,注意機能についても既存の尺度のジョイント因子分析を行い,共通する次元を抽出した。これらの尺度を用いて,いくつかの予備的な知見がえられた。・マインドフルな傾向が高いと活動性が幸福感につながる。同じ活動をしていても,意識せずに行っていると,当たり前のことと捉えてしまい,何かを感じ取ることは難しいが,マインドフルな注意を向けると,その時々の体験が新鮮に感じられると解釈できる。・マインドフルな傾向が高いと消費活動に消極的であっても幸福感が低下しない。消費行動は,幸福感が外的な刺激に依存するが,マインドフルな傾向が高いと,あまりそれらにあまり煩わされなくなると解釈される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成23年度は,尺度の作成を計画していた。マインドフルネス傾向を測定する尺度は,刊行された。幸福を味わう傾向の尺度は日本語版が作成できた。論文化はこれからである。注意機能については,複数ある尺度をジョイント因子分析した。また,幸福感を予測する研究は,平成24年度以降に予定しているが,その予備検討として日常生活での活動性や消費行動と幸福感の関連について調査を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度は,予備調査の結果を踏まえて,日常生活での活動性や消費行動と幸福感の関連について本調査を行う。本研究計画の中ではコミュニティ調査は初めてであり,実施上の留意点などを明らかにすることも平成24年度の目的である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
コミュニティ調査の実施に大半を利用する予定である。その他は,成果を順次論文化するための校閲費,研究分担者との打ち合わせの旅費が主になる。
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Research Products
(16 results)