2011 Fiscal Year Research-status Report
ダウン症候群の動作法による発達支援に関する臨床指導研究
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23530907
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
田中 新正 大分大学, 教育福祉科学部, 教授 (00163527)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古賀 精治 大分大学, 教育福祉科学部, 教授 (20225395)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | ダウン症候群 / 立位・歩行動作の改善 / 動作法 |
Research Abstract |
1.筋緊張の低下がダウン症候群の原因であるという考え方に基づいて現在まで実施されてきたこれまでの各種の指導法について、著書や学会論文集などにより「理論と指導内容」のそれぞれの長所と問題点について文献研究を行った。2.これまで26年間キャンプ形式で実施してきた「動作法」による集中指導内容と効果について、10年以上継続して参加した事例を中心に分析を行った。(1)動作面の未学習に対する発達支援の方法と効果について:「寝返り、坐位、四つ這い、立位、歩行」(2)動作発達の歪みや偏りの誤学習に対する支援の方法と効果について:ダウン症候群に特にみられる動作特徴である「顎が出ている、出っ尻、円背、外股姿勢など」(3)歩行の発達の遅れと歪みに対する支援の方法と効果について:ダウン症候群に多くみられる「外股歩行や扁平足歩行など」(4)ことばと対人関係の発達問題に対する支援の方法と効果について3.立位・歩行動作における指導効果の客観的な測定方法の検討 立位・歩行に遅れや偏りが見られるダウン症候群の踏み締めの状態を測定するための装置、「足圧分布測定システム(F-スキャンII)」の基本的測定方法について大学生を対象に準備を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1.筋緊張の低下がダウン症候群の原因であるという考え方に基づいて現在まで実施されてきたこれまでの各種の指導法について、著書や学会論文集などにより「理論と指導内容」のそれぞれの長所と問題点について文献研究を行った。計画していた文献研究が行えた。2.これまで26年間キャンプ形式で実施してきた「動作法」による集中指導内容と効果について、10年以上継続して参加した3事例について検討を行うことができた。(1)動作面の未学習に対する発達支援の方法と効果について:「寝返り、坐位、四つ這い、立位、歩行」(2)動作発達の歪みや偏りの誤学習に対する支援の方法と効果について:ダウン症候群に特にみられる動作特徴である「顎が出ている、出っ尻、円背、外股姿勢など」(3)歩行の発達の遅れと歪みに対する支援の方法と効果について:ダウン症候群に多くみられる「外股歩行や扁平足歩行など」(4)ことばと対人関係の発達問題に対する支援の方法と効果について3.立位・歩行動作における指導効果の客観的な測定方法の検討 立位・歩行に遅れや偏りが見られるダウン症候群の踏み締めの状態を測定するための装置、「足圧分布測定システム(F-スキャンII)」の基本的測定方法について大学生を対象に準備を行った。機器の購入時期が年度末になったため、ダウン症を対象とした測定の試行が出来なかった。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度の計画・方法:3泊4日のキャンプ形式の集中指導を実施し、その前後における効果を測定し分析を行う。(1)対象者:小学生以上のダウン症児者 10名位 (2)指導方法:それぞれの対象児者にマンツーマンの指導者がつき1日3回、1回1時間の動作法を基に開発した新しい指導方法を行う。5人に対して1人のスーパーバイザーが指導内容についてスーパーヴィジョンを行う。(3)測定方法:キャンプ初日、対象者にF-スキャンIIにより立位・歩行における「踏みしめ」について測定する。キャンプ最終日に4日間の変化について調べる。(4)指導法の開発:測定結果に基づき指導法を検討して、キャンプ後の月例会でさらに指導法の検討を行う。25年度の計画・方法1.24年度の結果に基づき、25年度も夏休みを利用した集中指導キャンプを実施し、月例会で工夫した指導方法を集中的に実施し、24年度と同じ指導形態で指導と測定を行う。キャンプ後、測定結果を分析して指導方法に検討を加え、ダウン症候群独自で発達状態に応じた指導方法を構築する。2.新指導要領に適用できる、学齢児の児童・生徒への指導方法と測定方法のマニュアルを完成させホームページでの紹介と印刷物を作成する。3.発達状態に応じた指導方法を保護者にもわかりやすい図解入りのマニュアル本を作成する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
ダウン症児者の「踏みしめ」状態の測定をF-スキャンIIにより実施するために必要な準備品や消耗品、及び記録整理のための物品の購入。F-スキャンIIによる測定時の補助やデータ分析や整理の謝金。研究成果の学会発表のための旅費に使用する予定である。
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