2012 Fiscal Year Research-status Report
配偶者をがんで亡くした遺族の精神的健康促進モデルに基づいたケアプログラムの開発
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23530918
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Research Institution | Teikyo Heisei University |
Principal Investigator |
浅井 真理子 帝京平成大学, 臨床心理学研究科, 准教授 (50581790)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内富 庸介 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (60243565)
小川 朝生 独立行政法人国立がん研究センター, 東病院臨床開発センター精神腫瘍学開発分野, 分野長 (10466196)
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Keywords | がん / 遺族 / 配偶者 / 精神的健康 / ケアプログラム / サイコオンコロジー / 臨床心理学 / 社会心理学 |
Research Abstract |
平成23年度から25年度までの3年間における本研究の目的は, 研究者代表者らが既に実施した面接調査で得た遺族の心理状態と対処行動に関する新規な構成要素を評価尺度項目として用いた質問紙による縦断研究を実施することで, わが国の遺族の実態に即した新規のケアプログラムを開発することである。平成23、24年度の2年間で縦断研究により, 肯定的な心理状態の促進に寄与する対処行動およびその作用機序を明らかにし精神的健康促進モデルを検証し、平成25年度は縦断研究から得た精神的健康促進モデルに基づいて, 有効な対処行動を学習するための新規の遺族ケアプログラムを開発する。 なお本研究は, 国立がん研究センター東病院緩和医療科を受診したがん患者の配偶者を研究対象とすることから, 国立がん研究センター東病院臨床開発センター精神腫瘍学研究部(千葉県柏市, 研究分担者が所属)を実施施設とし, 帝京平成大学(東京都, 研究代表者が所属)を解析施設とした。 平成24年度は, 研究者代表者らが既に実施した面接調査で得た遺族の心理状態と対処行動に関する新規な構成要素を評価尺度項目として用いた質問紙に関する論文が受理された。それを受けて評価尺度を用いて遺族の対処行動パターンと心理状態および精神的健康に関してデータを再解析し、論文を投稿した。また、縦断研究の計画書を研究者代表者が所属する帝京平成大学の倫理審査委員会に提出した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
がん患者の遺族を対象とした心理状態と対処行動の因果関係を明らかにし、遺族に対する支援プログラムを開発するための研究を計画中である。しかしながら、この研究で使用する質問紙の項目である遺族の心理状態と対処行動に関する論文の受理が予想外に遅れ、本研究の調査項目の確定が2012年秋まで半年以上先延ばしされた。 また7月には他の研究グループで類似の調査を計画中であることが判明したため、その研究グループとの意見交換を行った。その結果、当初の方法では研究目的を達成することが困難であることが判明したため、対象を変え緩和ケア導入期のがん患者の精神症状の評価や、受けた医療の内容等を含めた大幅な研究計画の変更が必要となった。 さらに複数施設(帝京平成大学、国立がん研究センター)で倫理審査を申請する必要があることとなり、その調整に予想外の日数を要したため、計画が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度は複数施設(帝京平成大学、国立がん研究センター)での倫理審査で承認を受け、縦断研究を開始する。また調査実施者を決定することによって承認後ただちにデータ収集が可能となるよう対応する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究開始に伴い、調査実施者の人件費、調査用紙、印刷、データ管理用の備品等の費用が必要である。 また同施設で他の研究グループでの類似調査も予定されており、それらとの調整を研究実施施設である国立がん研究センターで継続的に行う必要があり、さらに最終年度は引き続き研究成果を国内外の学会で発表する予定であり、これらに旅費を必要とする。
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Research Products
(6 results)
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[Journal Article] Psychological states and coping strategies after bereavement among spouses of cancer patients: a quantitative study in Japan2012
Author(s)
Mariko Asai, Nobuya Akizuki, Maiko Fujimori, Yutaka Matsui, Kuniaki Itoh, Masafumi Ikeda, Ryuichi Hayashi, Taira Kinoshita, Atsushi Ohtsu, Kanji Nagai, Hiroya Kinoshita, Yosuke Uchitomi
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Journal Title
Supportive Care in Cancer
Volume: 20
Pages: 3189-3203
DOI
Peer Reviewed
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