2011 Fiscal Year Research-status Report
グループ・スーパービジョンにおける学び体験に関する研究
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23530920
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Research Institution | Gakushuin University |
Principal Investigator |
吉川 眞理 学習院大学, 文学部, 准教授 (50242615)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | グループ・スーパービジョン / 学びの体験 / 心理臨床の訓練 / 国際研究者交流 英国 / 国際研究者交流 スイス / 国際研究者交流 米国 |
Research Abstract |
本研究の目的は、「グループ・スーパービジョンの学び体験尺度」の英語版を作成し、英語圏の心理臨床家の意見を得て修正を加えて、英語版を作成し、実際に英語圏の心理臨床訓練機関で実際に施行し、日本におけるグループ・スーパービジョン体験と英語圏のそれとを比較し、グループのどのような要因がその違いをもたらしているのかを考察することである。当該年度、まず日本のグループ・スーパービジョンのあり方を英語圏の臨床家に実際に体験してもらう機会を設定した。具体的にはサンフランシスコにおいて青少年の心理支援実践に携わるDr. Phillip Erdberg とDr. Michael Bronzoを日本に招聘し、日本の青年期の事例素材を用いてグループ・スーパービジョンを行った。参加者のうち協力の得られた50余名に、このグループ・スーパービジョン体験について自由記述および質問紙による調査を行った。この結果を集計して、Dr. Erdberg とDr. Bronzoにフィードバックするとともに、質問項目を精選し、現在海外でのグループ・スーパービジョン参加者に回答を求める質問紙を作成中である。さらに海外での質問紙施行についての打ち合わせのため、英国とスイスに、研究分担者である青木紀久代氏とともに出張し、チューリッヒにおけるISAPおよびロンドンのタビストック研究所における施行可能性の検討を現地にて行った。この派遣において、英国でのワーク・ディスカッションという形式が参加者の情緒的体験を重視したグループ・スーパービジョンとして開発されていることがわかった。この新しい手法の発展の経過を追いながら、この理念を、今回のグループ・スーパービジョン体験の質問紙に反映させることが現在の課題となっている。ワーク・ディスカッションとの出会いはグループ・スーパービジョンの学び体験の考察に新たな視点を付加する貴重な発見となった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
24年度前半に、海外での質問紙施行を行うことをめざしていたが、ペースとしてやや遅れがみられる。英語版質問紙を完成させ、24年の9月、10月の施行が当初の目標であったが、少なくとも9月の当初には複数の英語圏の訓練機関でこの質問紙の施行の依頼を行い、遅くとも11月前半に実施できるように、現在準備に取り組んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
1)23年度の成果をまとめ、これをもとにグループ・スーパービジョンにおける学び体験尺度の英語版を完成させる。2)8月には日本の研究分担者と打ち合わせを行い、他文化圏での質問紙施行の際にあわせて調査する要因の項目について最終的にしぼる。3)9月には複数の英語圏の心理臨床研究機関に質問紙の施行について依頼を行う。4)11月初旬までに、データを回収し解析を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
1)8月に国内の研究分担者と研究打ち合わせを行う。2)9月にかけて質問紙の依頼のために、スイスおよび英国に出張を行う。3)3月に質問紙の結果をフィードバックするとともに、施行を依頼したスーパーバイザーのグループ・スーパービジョンにおける工夫などを面接によって聴取するために英国、スイスへの出張を行う。また英国でのワーク・ディスカッションの発展について現地で調査を行う。
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