2012 Fiscal Year Research-status Report
グループ・スーパービジョンにおける学び体験に関する研究
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23530920
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Research Institution | Gakushuin University |
Principal Investigator |
吉川 眞理 学習院大学, 文学部, 教授 (50242615)
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Keywords | グループ・スーパービジョン / 心理臨床トレーニング / 尺度作成 / 学びの体験 / 国際情報交換 米国 / 国際情報交換 英国 / 国際情報交換 スイス / ワーク・ディスカッション |
Research Abstract |
英語圏の臨床心理家との連絡をとりながら、本年度は「グループ・スーパービジョンにおける学び体験尺度」英語版を完成することができ、また収集したデータにより日本において初心者と熟練者における差異をあきらかにして、その成果をアメリカ心理学会で発表する準備をすすめることができた。この発表によって、この「グループ・スーパービジョンにおける学び体験尺度」英語版施行をより幅広い研修者に依頼するための重要な機会を得ることができると考えている(2013年 アメリカ心理学会 発表タイトル;Comparing group supervision experience between beginner and well-experienced clinical psychologists in Japan)。 また、グループ・スーパービジョンの国際比較にかかわるシンポジウムにおける日本の状況の報告を担当することになり、その準備をすすめてきた。この機会を得て、同じ興味を持つ英語圏の研究者との交流を持つための重要な機会となることを期待している(2013年 アメリカ心理学会 シンポジウム・タイトル;Embrace Cultural Issues in Counseling Training & Supervision―Models and Practices in Multiple Countries)。 また23年度の英国における情報収集で得られたワーク・ディスカッションに関する知見について研究を深め、今後グループ・スーパービジョンにおける学び体験の国際比較を行う上で重要な示唆を得ることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
グループ・スーパービジョンにおける学び体験尺度の国際間比較のデータ収集は、現在も進行中であり、本年度もデータ収集が継続される予定である。予定としては、今年度のアメリカ心理学会では国際比較の最終的な結果を発表する予定であったが、実際には日本におけるデータの解析結果を発表するものにとどまった。以上の遅れの理由としては、これまでのコンタクトをとったグループ・スーパーバイザーのグループ・メンバーの数がいずれも少数であるため、日本のサンプルと同等の、もしくは比較に耐えるサイズの比較対照群が集まらないことがあげられる。これの解決法としては、より幅広く、グループ・スーパーバイザーとコンタクトを取る必要がある。そのため、今回のアメリカ心理学会の発表セッションにおいて興味をもってくれたグループ・スーパーバイザーと積極的にコンタクトをとり、国際比較データの収集範囲を広げる契機として活用したいと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度のアメリカ心理学会において、これまでの研究経過を発表し、興味を寄せてくれた英語圏の心理臨床のトレーナーと、積極的にコンタクトをとり、グループ・スーパービジョンにおける学び体験尺度の施行を依頼する予定である。 また、英国のタビストック研究所で紹介されているワーク・ディスカッションを、グループ・スーパービジョンの新たな展開であると見なして、ワーク・ディススカッションの実践について、さらに現地での情報収集を行いたい。また、日本でも同様のワーク・ディスカッションを試行的に行いながら、参加者にグループ・スーパービジョンにおける学び体験尺度を施行して、従来の形式のグループ・スーパービジョンにおける学び体験と差異があるかどうかについて明らかにすることを目標とする。 さらにスイスの国際分析心理学スクール関連の各グループ構成人数が少人数であることから、複数のグループ・スーパーバイザーとコンタクトをとって、グレープ・スーパービジョンにおける学び体験尺度データを蓄積し、比較を行い、その結果について研究発表の準備をすすめたい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
1)7月末から8月初旬のアメリカ心理学会の年次大会にこれまでの研究経過において得ら れた成果を発表するために、研究協力者である3名とともに、4名でアメリカ心理学会に出張する。 2)8月末にコペンハーゲンにおいて開催される国際分析心理学会に参加し、参加している分析心理学の研修生にグループ・スーパービジョンにおける学び体験尺度の施行を依頼してデータを収集する。(海外旅費) 3)9月チューリッヒの国際分析心理学スクールにおけるケース・コロキアムをグループ・スーパービジョンとみなし、この参加者に、グループ・スーパービジョンにおける学び体験尺度のデータを収集する。(海外旅費) 4)チューリッヒ出張の折に英国ロンドンに出向き、タビストック研究所においてワーク・ディスカッションの実践についての情報収集を行う。(海外旅費) 5)可能であればワーク・ディスカッションの実践を行い、そこでの参加者にグループ・スーパービジョンにおける学び体験尺度を施行する。(国内旅費)
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Research Products
(1 results)