2012 Fiscal Year Research-status Report
思春期・青年期の自閉症スペクトラム障害者の対人交渉スキル支援プログラムの開発
Project/Area Number |
23530927
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Research Institution | Seirei Christopher University |
Principal Investigator |
長峰 伸治 聖隷クリストファー大学, 看護学部, 教授 (50303574)
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Keywords | 対人交渉スキル / 自閉症スペクトラム障害 / 支援プログラム |
Research Abstract |
本研究では、自閉症スペクトラム障害(ASD)者が、対人葛藤場面において自分と相手の両方の要求(視点)を調整しながら相手と交渉することができる「対人交渉スキル」を習得するための支援プログラムを検討することが主目的である。 今年度行ったことは、①対人交渉スキルの習得を目的としたワークショップの効果について分析したものを学会発表して、論文にまとめること、②ASD当事者が対人葛藤場面においてどのような行動をとるのかを把握するアセスメントの精度を上げるために、定型発達者を対象とした調査を行い、その比較分析を行うことであった。 ①については前年度行ったASD者対象のワークショップの前後に行った面接調査の結果について詳細に質的分析を行ったところ、認知面での変化だけでなく言語面でもスキルの向上がみられたこと、また「どういう結果になると良いのか」という先の見通しに関しても自他両方にとって良い解決を目指す視点をもつようになることが明らかになった。その結果については学会発表をして論文として執筆中である。 ②については、対人交渉スキルにおいてASD当事者特有の傾向があるかどうかを、同年代の定型発達者のスキルと比較することで明らかにしようと考え、中学生・高校生の定型発達者(計322名)を対象に質問紙調査を実施した。結果については現在分析中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
「対人交渉スキル」支援プログラムのアセスメントとワークショップについての検討を進めることができたが、アセスメントに関する調査結果についてASD者と定型発達者との間の比較分析が途中段階であるため。
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Strategy for Future Research Activity |
まず、上述したASD者と定型発達者との間の比較分析をできるだけ早く進めて、ASD者の対人交渉スキルのアセスメントの精度を上げる。そして、最終年度にあたり、本支援プログラムがASD当事者のニーズに見合った予防的・開発的な支援モデルであるかどうかについて、これまでの成果をふまえて総合的な考察を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
質問紙調査のデータ整理等を行う研究補助者の謝礼等にあたる研究費が未執行であったため、次年度に使用する。そのほかに次年度請求する研究費に関しては、当初の計画に沿って使用する。
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Research Products
(1 results)