2013 Fiscal Year Annual Research Report
新任教師におけるリアリティ・ショックのプロセスの解明と予防プログラムの効果検証
Project/Area Number |
23530939
|
Research Institution | Rikkyo University |
Principal Investigator |
松永 美希 立教大学, 現代心理学部, 准教授 (60399160)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 菜々子 兵庫教育大学, 学校教育研究科(研究院), 准教授 (80350437)
石井 眞治 比治山大学, 現代文化学部, 教授 (60112158)
三浦 正江 東京家政大学, 人文学部, 教授 (00330134)
|
Keywords | ストレス / メンタルヘルス / 予防的介入 |
Research Abstract |
25年度は,計画どおり,新任教師を対象としたリアリティ・ショックへの対応に特化した研修プログラムを策定した。研修プログラムの効果を検討した。 対象は新任教師181名であり,介入群102名と統制群79名であった。研修プログラムは,新任教師が経験しやすいストレスである「リアリティ・ショック」を取り上げて,それらへの対応を,講義とグループワークを通して学習することを目的とした。グループワークでは、リアリティ・ショックへの対応方法として、「柔軟な考え方をできるようにする」ことを目的に、呈示したシナリオをもとにグループで認知再構成法に取り組んでもらった。 研究プログラムの効果を検証するため,プログラム3か月前(5月),プログラム直前(8月),3-6か月後(11月または1月)において,質問紙調査を実施した。内容は,リアリティ・ショック要因尺度(松永ら,投稿準備中),ストレス反応,状態被援助志向性尺度であった。 各時期の尺度得点を従属変数,群と時期を独立変数とした繰り返しのある2要因分散分析をおこなった。その結果,リアリティ・ショック合計得点について,交互作用が有意であったが,プログラム前の得点について介入群は統制群よりも有意に低くなっており,介入後には得点差が見られなかった。またK6と被援助志向性については,主効果および交互作用は有意ではなかった。また介入群にのみ,介入前後において,認知的対処の自己効力感のうち「客観的・多面的な捉え方」4項目についての評定を求めた。時期を要因とした分散分析を行った結果,すべての項目について時期の効果が有意であり,介入後は前よりも得点が高くなっていた。 以上のことから,研修プログラムのリアリティ・ショックやストレス反応に対する低減効果は確認されなかったが,客観的・多面的な捉え方の向上には有用であることが示された。
|
Research Products
(6 results)