2013 Fiscal Year Annual Research Report
性被害者の臨床心理査定、臨床心理面接に関する研究~PTSDに視点をあてて~
Project/Area Number |
23530945
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Research Institution | Kagoshima Immaculate Heart University |
Principal Investigator |
餅原 尚子 鹿児島純心女子大学, 国際人間学部, 教授 (70352474)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久留 一郎 鹿児島純心女子大学大学院, 人間科学研究科, 教授 (40024004)
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Keywords | 性被害者 / PTSD(外傷後ストレス障害) / 臨床心理査定 / 臨床心理面接 / 裁判員裁判 / 陪審制度 / 参審制度 / 被害者支援 |
Research Abstract |
平成23年度より、性被害によってPTSD(外傷後ストレス障害)を被った被害者への、適切な臨床心理査定、臨床心理面接、裁判員裁判のありよう、適切な支援システムの構築を試みることを目的に、研究をすすめてきた。 平成25年度は、新規の9事例(延べ15回)、継続3事例(延べ7回)の性被害者、家族、支援者の臨床心理査定、臨床心理面接、心理教育を実施した。 また、性被害を被りやすい女子大学生171名、及び男子大学生23名、計194名を対象にアンケート調査を実施した。その結果、裁判員になりたい人(12.2%)は「告訴する(ρ<0.05)、性暴力犯罪は除外しなくてもよい(ρ<0.05)」に対し。裁判員になりたくない人(57.9%)は「告訴するかわからない(ρ<0.01)」と回答していた。また、女性は「裁判員は男女比同じがよい(ρ<0.01)」という結果になった。さらに、英国(Inner London Crown Court、London Victim Care Unit,Victim Support、ロンドン大学精神医学研究所心理学部)、ドイツ(ハイデルベルグ大学精神科クリニック、ヘッセン州司法省、HILFE:ヘッセン州立犯罪被害者支援組織、裁判所、Weisser Ring:被害者支援NPO)での学術交流等を実施した。被害者のみならず、証人への支援・配慮の充実、特にロンドンでは、被害者は裁判を公開にするか否かを選択できること、被害者が成人を迎えてから時効が開始されること、公判で住所は秘密にできること(先述のアンケートでも75.1%が自分の氏名以上に、住所は知られたくないと回答していた)など得ることができた。 今後は、性被害者への適切な支援システムの構築に向け、これらの結果を啓発していきたい。同時に裁判員等を含め、惨事の目撃者のメンタルヘルス等も課題として見出すことができた。
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Research Products
(3 results)