2013 Fiscal Year Annual Research Report
2色覚者における黄青色知覚メカニズム特性に関する研究
Project/Area Number |
23530956
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
須長 正治 九州大学, 芸術工学研究科(研究院), 准教授 (60294998)
|
Keywords | 色覚 / 色覚異常 / カラーユニバーサルデザイン / シミュレーション / 視覚探索 |
Research Abstract |
現在、カラーユニバーサルデザインの検証に用いられている2色覚者(色覚異常を持つ人)のシミュレーションには片眼にだけ色覚異常を持つ人の色の見えが採用されている。この2色覚者の色の見えシミュレーションでは、2色覚者の見分けらない色、つまり混同色が同じ色として再現されており、この点に関する問題はない。しかし、2色覚者が見分けられるような色が、色覚正常者が2色覚者シミュレーションを観察した際の見分けやすさに反映されているかどうかは不明である。そこで、本研究課題では、視覚探索課題を用い、シミュレートされていないオリジナルの色刺激を2色覚者に、2色覚者の色の見えにシミュレートした刺激を色覚正常者に観察させ、特定の色の検出までの探索時間を比較した。ここで、もしこれらが一致したならば、見分けやすさも2色覚者の色の見えシミュレーションでも再現できているといえる。 しかしながら、その結果は、色差が小さい場合、2色覚者の探索時間は、シミュレーション画像を観察した色覚正常者の探索時間よりも有意に長くなることを示した。このことは、色覚正常者が2色覚者の色の見えシミュレーションで見分けられる配色であると判断しても、実際の2色覚者には見分けにくい可能性があることを示唆した。つまり、現在のカラーユニバーサルデザインの検証に用いられている2色覚者の色の見えシミュレーションは色の見分けにくさを過小評価しており、シミュレーションにて再現される色は修正しなければならいことを意味している。さらに、この研究課題では、修正2色覚シミュレーションモデルの提案も行った。
|