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2011 Fiscal Year Research-status Report

身体的姿勢によって変容する視空間の特性:斟酌理論に照らして

Research Project

Project/Area Number 23530965
Research InstitutionRitsumeikan University

Principal Investigator

東山 篤規  立命館大学, 文学部, 教授 (00118001)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 下野 孝一  東京海洋大学, 海洋工学部, 教授 (70202116)
Project Period (FY) 2011-04-28 – 2015-03-31
Keywords奥行き / 身体姿勢 / 絵画的手がかり / 両眼網膜像差 / 絵画の知覚
Research Abstract

平成23年度に行った実験では,個別の手がかりの奥行きと自己受容覚の関係を明した.検討する手がかりとして,両眼網膜像差,きめの勾配,陰影を用いた.距離の手がかりには,刺激図形の正立・逆転にほとんど関係なくはたらく両眼網膜像差と,刺激図形の正立・逆転に依存して奥行きの関係が変わる陰影や奥行き反転図形と,その中間に位置するきめの勾配とがあるが,自己受容覚の変化は,どの種類の奥行きの手がかりに影響するのかを明らかにした. 実験では被験者にヘッド・マウンティッド・ディスプレイHMDを装着させることによって,身体が屈曲しても目に与えられる網膜像を一定にした.(1)両眼網膜像差を網膜に与える実験では,像差が9段階にわたって変化するステレオグラムを作成し,それをHMDの中に提示して,観察者には,正立したままで,あるいは股のぞきをしたままで,ステレオグラムを融合させ,そのときに知覚された奥行きを推定させた.(2)きめの勾配を用いた実験では,きめの勾配が強く作用している図形を選抜し,観察者には,上で述べた同じ2姿勢条件のもとで,各図形の正立画と倒立画を継時観察させて,奥行きがはっきり知覚される図形の選択判断を求めた.また,線遠近画の傾きをさまざまに傾けて,各姿勢のもとでその見かけの傾きを判断させた,(3)陰影を用いる実験では,刺激図形を180度回転させると奥行きの関係が逆転する図形(クレータの写真,シュレダーの寒暖図形など)を単眼提示した.観察者には,上で述べた同じ2姿勢条件のもとで各図形を観察し,その見え姿を報告するように求めた. 現在,得られたデータの整理を行っている.

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

1: Research has progressed more than it was originally planned.

Reason

平成23年度に行う予定の実験と平成24年度に行う実験の実施順序を逆にして,実施しやすいものから手を付けたために,研究が予想以上に進展した.

Strategy for Future Research Activity

昨年度に得られたデータを整理するとともに,平成23年度に実施を予定していた計画を本年度に実施して,そのデータを得たいと考えている.

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

実験1:さまざまな光景の写真を用いて,身体姿勢の変化にともなう見かけの奥行きの縮減と,風景の明るさ・鮮明度の増加の間には正の相関があるのかどうかを検討する.観察者には,正立して提示された写真を,直立した姿勢で観察する条件と股のぞきをして観察する条件を設ける.また比較照合のために,倒立して提示された写真を,直立した姿勢で観察する条件と股のぞきをして観察する条件を設ける.観察者には,姿勢と写真の各組合せに対して,その写真の与える奥行き感の評定を求める.つぎに,写真と姿勢の4条件のもとで,写真画風景の明るさと鮮明度の変化を決定する.観察者は,各条件の写真(標準刺激)を見て,比較刺激の写真が「明るい」か「暗い」かを決定する. 実験2:股のぞきの姿勢で光景を観察すると,その光景が明るく鮮明に見える.しかし,風景のどのような成分がこの光景の変化に完与しているのかはまだ明らかでない.そこで,屈曲姿勢による自己受容覚の変化に敏感に反応する視覚成分を探し出すために,風景を写真に撮って,それをさまざまに変形させても股のぞき効果が維持するのかどうかを検討する.すなわち,(1)ふつうの風景画(統制群),(2)風景画を細かく切り裂いてランダムに再構成したスクランブル画,(3)風景画の位相成分のみをスクランブルし,空間周波数成分を保持させた位相スクランブル画を比較する.刺激図形(2)と(3)はどちらも,風景画の奥行きの特徴が消えているが,刺激図形(2)は風景画を構成するドットの色情報を保持し,刺激図形(3)は風景画を構成する空間周波数成分を保持している. 本年度は実験を中心に研究を進めたために,データ整理に要する費用などを執行することができなかった.次年度は,データ整理を進めながら,新たな実験を開始する.

  • Research Products

    (6 results)

All 2012 2011

All Journal Article (3 results) (of which Peer Reviewed: 2 results) Presentation (3 results)

  • [Journal Article] Editorial: Three dimensional visual space: Phenomena, theories, and applications2012

    • Author(s)
      下野孝一,東山篤規
    • Journal Title

      Japanese Psychological Research

      Volume: 54 Pages: 1-3

    • DOI

      10.1111/j.1468-5884.2011.00508.x

  • [Journal Article] Brightness and image definition of pictures viewed from between the legs2011

    • Author(s)
      東山篤規,都賀美有紀
    • Journal Title

      Attention, Perception, & Psychophysics

      Volume: 73 Pages: 144-159

    • DOI

      10.3758/s13414-010-0023-4

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] Dual egocenter hypothesis on angular errors in manual pointing2011

    • Author(s)
      下野孝一,東山篤規
    • Journal Title

      Perception

      Volume: 40 Pages: 805-821

    • DOI

      10.1068/p6604

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] Relaxation of bodily muscles facilitates roll vection.2011

    • Author(s)
      東山篤規
    • Organizer
      The 34th Annual Meeting of European Conference on Visual Perception
    • Place of Presentation
      Toulouse, France
    • Year and Date
      2011年9月1日
  • [Presentation] 自己誘導運動(ベクション)と身体姿勢の関係-ヘッド・マウンティッド・ディスプレイを用いて2011

    • Author(s)
      東山篤規・山崎校
    • Organizer
      日本心理学会75回大会
    • Place of Presentation
      日本大学(東京都)
    • Year and Date
      2011年9月15日
  • [Presentation] ミュラー効果に及ぼす視覚刺激の明るさの効果2011

    • Author(s)
      東山篤規・村上嵩至
    • Organizer
      関西心理学会123回大会
    • Place of Presentation
      京都学園大学(京都府)
    • Year and Date
      2011年11月6日

URL: 

Published: 2013-07-10  

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