2012 Fiscal Year Research-status Report
側頭葉における報酬に基づいた視覚刺激の連合記憶メカニズムの解明
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23530971
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
菅生 康子 独立行政法人産業技術総合研究所, ヒューマンライフテクノロジー研究部門, 主任研究員 (40357257)
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Keywords | 霊長類 / 単一ニューロン活動 / 報酬 / 視覚刺激 / 記憶 / 連合 |
Research Abstract |
脳の中には生存に重要な視覚情報を選んで記憶する何らかの原理があるはずである。本研究の目的は、霊長類の脳のどこで、どのように、なぜある視覚情報を記憶できるのか、報酬に基づいた視覚情報の連合記憶の神経機構を明らかにすることである。そのため同一行動課題を用いて神経生理学的研究を系統的に施行する。ニューロン活動に含まれる視覚信号、記憶信号、報酬信号を分離し、各々の領野が視覚、記憶、報酬の処理のどれに重要なのかを推測してその役割を考察する。 ニューロン活動から視覚情報処理に関わる信号と記憶の処理に関わる信号を分離するため、条件性連合キュー報酬課題を開発した。条件性連合キュー報酬課題では、経時的に呈示する2つの視覚刺激(cue1とcue2)の組み合わせによって報酬あるいは無報酬となる課 題である。サルはcue1を記憶し、続いて呈示されるcue2を見ることで報酬/無報酬を期待することができる。条件性連合キュー報酬課題を遂行中のサルの傍嗅皮質から記録したニューロン活動を記録し、解析した。その結果、cue2呈示中、つまり、まだ実際の報酬呈示・非呈示が行われていない状況にもかかわらずニューロンの約半数が報酬の有無の情報を表現することが明らかになった。さらに、cue1・cue2の組み合わせの情報も表現していたことから、傍嗅皮質で報酬の有無の情報が段階的に処理されることも示唆された。 本年度は、上記の結果をまとめて国際誌(Journal of Neuroscience)で報告した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
傍嗅皮質ニューロン活動の記録実験の結果をまとめ、国際誌(Journal of Neuroscience)で報告することができた。またその結果を、所属研究機関の主な研究成果としてホームページ上でアピールすることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
下側頭皮質のニューロン活動については、十分な量のデータを収集する。 また、下側頭皮質のニューロン活動についても解析をし、論文を推敲して国際誌に投稿する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成24年度に引き続き、条件性連合キュー報酬課題を用いて、側頭皮質でニューロン活動の記録・解析を行う。記録実験の効率を高めるため、複数の電極からの信号を同時記録できるシステムを導入することを計画している。
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Research Products
(2 results)