2014 Fiscal Year Annual Research Report
認知行動を取捨選択制御する前頭前野神経回路機構の研究
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23530972
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
瀧田 正寿 独立行政法人産業技術総合研究所, 人間情報研究部門, 主任研究員 (40344204)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤原 清悦 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 講師 (10440322)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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Keywords | 前頭前野 / 海馬 / 扁桃体 / ドーパミン / 記憶 / 意思決定 / 電気生理 / 脳内微小透析法 |
Outline of Annual Research Achievements |
【遅延交代反応】ラットの飼育・繁殖・課題トレーニングは研究代表者と雇用した研究補助1名(15時間/週)が担当した。中央に給水ノズル、左右に2ランプ2レバー、のオペラント箱で、両前肢を乗せ1.5秒と3秒の遅延交代でレバーリリースさせる訓練をした(1.5秒左右3秒左右の循環連続)。オリジナル課題は日毎4秒と16秒の試験(Izaki 他2008)。1.5秒で高正答率の個体は約9割で、1割は3秒で高かった。ストラテジーの異なる可能性はあったが、ホームケージでの給水タイミング調節で1.5秒で正答率が高まる可能性を認めた。【高架式十字迷路】得た不安指標と、上記の作業記憶能の間に相関がない事を発見した(当該研究の一実績)。再試を兼ね、作業記憶課題トレーニングフェーズとの関係を確認中である。一方、遅延期中レバーリリースするプレマチュア反応と、不安指標の間に相関があり、Izakiら(2008)の結果を情動という観点から再解釈し、他報告との比較から、作業記憶の時間要因に『移動距離の遠近』という要因が含まれる可能性に気づいた(次期科研費の主題)。【自発神経活動に基づく2部位間の神経回路機能解析】聖マリアンナ医科大学で確立した解析方法を用い、中間海馬、腹側海馬、前頭前野の3部位で同時記録し、解剖学上の回路があっても情報伝達がない状況を見つけ報告している(Takitaら2003)。その回路をON/OFFさせるスイッチ機構の理解が、神経回路網に基づく脳機能解明に重要なことが示唆されたが、例えば、時間や距離で作業記憶回路が切り替る可能性も考察している。【早期母仔分離モデルのおける解析】これまでの結果から、前頭前野-扁桃体路のパルス状神経伝達効率は、早期分離群は探索行動と正相関、通常分離群は負相関する。その調節に扁桃体ドーパミンが強く寄与したが、局部変化か、脳全体の変化かを解析中である。
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