2013 Fiscal Year Annual Research Report
戦前・戦後東北における北方性教育運動の展開に関する調査・研究
Project/Area Number |
23530978
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
土屋 直人 岩手大学, 教育学部, 准教授 (10318751)
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Keywords | 北方性教育 / 生活綴方 / 教育実践史 / 教育運動史 / 教育方法 / 東日本大震災 |
Research Abstract |
本研究は、戦前・戦後東北における北方性教育運動の展開とその実像を明らかにすることを目的とし、特に戦前以来の北方性教育運動、生活綴方教育実践が、戦後東北においていかに展開してきたのかについて実証的に調査・研究を行ったものである。その際、戦前東北における北方性教育運動の基本的性格を明らかにし、それを戦後東北の教師たちがいかにその教育実践の中に継承し発展させようとしてきたかを検討した。 研究最終年度にあたる平成25年度においては、具体的に以下の3つの作業を進めた。1.戦前の北方性教育、生活綴方教育実践に関する第一次資料の収集・分析検討:秋田大学附属図書館「北方教育資料室」や、山形県教職員組合(山形県国民教育研究所)資料室、宮城教育大学附属図書館、等々に赴き、第一次史資料(学級文集、実践記録等)の閲覧・収集を行い、特に佐々木昂、村山俊太郎らに関する第一次資料のほか、先行研究文献・関連論文の収集と講読・分析を行った。2.戦後生活綴方教育実践に関する第一次資料収集および聞き取り調査:昨年度に引き続き、青森県作文教育における代表的実践者である橋本誠一氏への聞き取りを行い、あわせて関連第一次資料・論稿を閲覧・借用し分析し、またデジタル資料化への準備を進めた。3.東日本大震災後の東北沿岸被災地における北方性教育運動の流れを汲む教育運動の動向を、教職員組合教研や東北民教研等に参加して調査を行い、また、被災地での生活綴方実践の実態の一端について、東北作文の会等に参加し、福島の白木次男氏らの実践を中心に調査検討した。その成果の一端は論文「地域に生きる「生活者」としての子どもと学力―北方性教育運動の視点から―」教科研『教育』)等である。なおこれら1.2.3の研究成果・資料の公開は、未完の部分もあり次年度以降に学会発表等にて行う予定である。
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