2012 Fiscal Year Research-status Report
小学校「理科」支援のための、地域ネットワークを活用した総合的な支援体制の構築
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23530981
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| Research Institution | Fukushima University |
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Principal Investigator |
渡辺 博志 福島大学, 総合教育研究センター, 教授 (80455906)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡田 努 福島大学, 総合教育研究センター, 准教授 (50431648)
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| Keywords | 科学教育 / 理科教育 / 小学校 |
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| Research Abstract |
H24年度は，小学校の教員が抱える理科の授業の問題に関する調査とその分析結果により明確化した課題について協力者等との具体的な授業の構成，教材の作成，授業の実施等を通じて本研究課題の解決に取り組んだ．
そのため前年度から引き続きヒヤリング調査と福島県の全小学校に対してアンケート調査の結果を分析した．そこでは本研究の申請時に提起した課題以上に東日本大震災による自然災害の影響と原子力発電所事故による様々な被害が理科の授業だけでなく学校生活の基盤そのものを揺るがしている現状を見て取ることができた．
そこで附属小学校・中学校と近隣の小学校・中学校等５校の教員から協力を得て，具体的な課題の提示，とりわけ放射線教育の実践に向けて研究者と分担研究者が調査と支援にあたることができた．ここで中学校を協力者に加えたのは附属学校での連携や所在する地域内での小学校とのつながりを考慮したためである．
また県内の社会教育施設（科学館(2)，県立図書館(1)），公設試験研究機関(2)，県立高校(2)，企業(2)からも関連する様々な情報提供や教材に関する助言等をもらい，学校における理科の授業への支援を得ることが可能となった．
その結果，今年度計画していた理科教材の貸し出しBOXの完成までには至らなかったが，放射線教育における「ウィルソンの霧箱実験の様々なノウハウの共有」「小学校の学級活動における放射線教育のあり方と授業のポイントについて」などの情報を収集可能となり計画以上の成果を得ることができた．また本県への県外からの支援活動として京都教育大学教員から，放射能汚染対策の代替教材として「地学分野：地層標本」を提供いただくなど，本研究の広がりも見られた．
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
H24年度は，小学校と中学校ならびに協力機関等からの支援による「放射線理解」に関するプログラムの作成とそれをめぐる学校現場の対応についての実践的調査研究に傾倒した感がある．しかしそれこそ現在の福島県の学校教育・理科教育の実態を表すものであり，むしろ放射線理解教育に関する研究を通じて学校支援のための地域の教育資源ともいうべき関連施設の開拓とネットワークの構築の方向性が見えてきた点は大きな進歩であるといえる．
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| Strategy for Future Research Activity |
H25年度は過去2年間の調査内容をひとまず整理し，放射線教育の取り組みを発展させ，その他自然災害への理科の授業での対応や教材作成等について発展させていく．
震災からすでに2年が経過したが，福島県では放射能汚染が深刻な問題として継続している．学校現場でも表面的にはようやく通常の学校生活を取り戻しつつあるかのようにも思えるが，児童・保護者による県内産の農産物を使用した給食の拒否問題，屋外活動自粛の要望，夏季におけるウィンドブレーカー着用など誤解や過剰ともいえる放射線対策を求めるケースが少なくない．同様に理科や学活での放射線の授業に否定的見解を示したり無視する児童や生徒も見られ，学校で対応に苦慮している．
したがって放射線理解のための取り組みが福島県内の協力校においては本研究の中心にならざるをえず，それと同時に理科授業の諸課題の解決にも取り組んでいきたい．
具体的には，小学校の学級活動での放射線教育の有効な実践事例を作成すること，そして理科の授業での放射線教育の実践事例と各種ノウハウ共有のための情報を発信することである．
上記の活動を通じ動植物の観察や実験の実施についての「安心・安全」を随時訴えていく中で過年度には実施できなかった，理科教材の作成と理科が苦手な教員への対応方法の研究に取り組んでいく予定である．
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| Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
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