2013 Fiscal Year Research-status Report
ユニバーサル段階におけるヨーロッパの学部専門教育の変容
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23530990
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
吉永 契一郎 東京農工大学, 大学教育センター, 准教授 (70313492)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀井 祐介 金沢大学, 大学教育開発支援センター, 教授 (30304041)
中島 英博 名城大学, 大学・学校づくり研究科, 准教授 (20345862)
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Keywords | 大学改革 / 教育改善 / ドイツ / ヨーロッパ / ボローニャ・プロセス / 教授法 / カリキュラム |
Research Abstract |
分野別の調査を行った2年目に引き続いて、ドイツにおける大学教育改革の進展状況をさらに検討するために、各大学に設置された大学教授法センターへの訪問調査を行った。その結果、個人対象のセミナーの開催を中心にしているセンターは、教育改善への貢献が限定的で、スタッフも研究者でないことが判明した。実績を上げているセンターは、博士号を持つスタッフを抱え、執行部と協力して組織的な教育改善を図っており、その名称に高等教育や質の保証、教授と学習などを冠している。これらの事例が示すことは、教授法からスタートしたドイツのセンターも、その活動範囲と性格を変えてきているということである。特に、専門教育・学部自治の伝統が強いドイツにおいては、執行部との協力関係、部局との連携、専門分野への理解が極めて重要である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
まず、ボローニャ・プロセス以降のヨーロッパにおける大学教育改革の状況について、物理学・歴史学・経営学という分野別に各国調査を行った。その結果、分野別に加えて、国ごとの特徴を見出すことができた。そこで、次に、同じ三分野について、ドイツに焦点を当てた。ドイツでは、専門主義、研究至上主義の伝統の下、分野ごとの特性をより明確にすることができ、効率性・有用性に関連した改革がボローニャ・プロセスと結びつけられて、実施されていることが判明した。最後は、ドイツの大学教授法センターに焦点を当て、成果を上げているセンターとそうでないセンターの違いが、教授法以外の評価やIR、学生調査や認証評価等にも関わっているかどうか、スタッフが研究者であるかどうかによることを明らかにした。
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Strategy for Future Research Activity |
分野別の調査やドイツの大学教授法センターを調査することによって、専門教育と職業能力との関係、専門教育の体系性と単位互換、専門分野の違いと単位互換、実績をあげているセンターの特徴を明らかにすることができた。今後は、伝統的な専門分野に起こりつつある変化、教育改善のための組織及びスタッフに起こりつつある変化を継続的に追跡することにより、大衆化した高等教育における専門教育についての考察を深めたい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
最終報告書の印刷・発送経費として計上したものである。 平成26年6月末までに使用完了予定である。
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Research Products
(2 results)