2011 Fiscal Year Research-status Report
養護教諭志望学生の「省察力」育成を目指した学内実習の授業モデル開発
Project/Area Number |
23531003
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Research Institution | Aichi University of Education |
Principal Investigator |
後藤 ひとみ 愛知教育大学, 教育学部, 教授 (20186894)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
斉藤 ふくみ 茨城大学, 教育学部, 准教授 (30336193)
松田 芳子 熊本大学, 教育学部, 教授 (70209576)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 国際情報交流 |
Research Abstract |
本研究は、養護教諭を目指す学生たちが卒後に教育現場で発揮することのできる「確実な実践力」の育成を目的として、学内での実習科目(学内実習)を設定し、疑似体験等を通して「省察力」を身に付けていくことができる授業モデルを開発するものである。 研究初年次の平成23年度は、我々が実施している学内実習の授業分析を行うことと国内における教師教育の先行研究分析を行うことにより、養護教諭養成における実践力育成の課題を明確にして、次なる研究の素地を得ることを計画した。具体的には、次の2つを行った。 1)学内実習(養護活動実習など)の授業シラバスを共有したり、授業改善の情報交換をしたりしている4大学において、授業記録を集めた。それらは、愛知教育大学の授業観察記録(授業の流れ、学生の発表や質問、教員の説明など)、茨城大学の授業記録(学生の感想文など)、弘前大学の授業場面記録(DVD収録)、北翔大学の授業場面記録(DVD収録)であり、熊本大学に集合して視聴した。結果として、「省察力」の育成と言えるような内容ではない授業がみられたことから、授業展開例を提示するなどして、どのような授業が望ましいかをイメージ化する必要性を確認した。また、様々な形式や方法の記録であったことから、記録のしかたによって授業分析の視点が異なることがわかった。 2)日本教育大学協会の研究動向を調べ、鳴門教育大学から実践力育成に関する資料を入手した。これまで、養護教諭の実践力や省察力に着目した研究は僅少であることから、教師教育で一般的に取り上げられている内容を養護教諭の養成に生かすには、より広範な学習が必要であり、具体的な教育プログラムの学習も必要であることがわかった。 以上の所見から、授業記録の取り方や分析の仕方として有効な視点が得られ、今後の研究計画にも役立つ学びとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
学内実習の授業分析については、共同研究者の勤務する茨城大学が東日本大震災で被災したため授業計画の変更を余儀なくされたことから、前期に開講していた実習科目の授業記録が十分に取れなかった。 教師教育関係の資料収集については、共同研究者の母上が7月に脳溢血で倒れ、入院、自宅療養、骨折、再入院が年末まで続いたため県外に出ることが難しくなった。 以上のような状況が生じたことにより、当初の計画は十分に遂行できなかったが、このような状況にあっても4大学の授業記録を収集し、視聴して分析を行ったことは今後の研究の遂行にむけて大事なことであったと言える。よって、「やや遅れている」と評価した。十分に実施されなかった内容については次年度に対応する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
前項のような理由により、当初の計画を遅らせる必要が生じたため、授業を記録する機器とその編集を行うソフトの購入費を残すこととなったが、平成24年度に早急に準備し、授業記録の追加を行う。 国内における教師教育の資料収集のために関係学会への参加を積極的に行う。 平成23年度の計画で遂行できなかった内容を進めつつ。平成24年度の計画は予定通りに進め、平成25年度の授業プログラム開発へと進めていきたい。 なお、平成24年度に計画している「米国等における先進的な教師教育の実地調査」には、共同研究者の母上が自宅療養中であるため海外渡航は難しいことから、授業記録などの提供を行ってくださっている方に研究協力者をお願いして共に渡航する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成23年度に残した機器購入等を行い、かつ、平成24年度に計画している海外渡航を行うために以下のように執行する。 1)授業記録のためのデジタルVTRカメラと映像編集用のソフトを購入する。これによって、授業分析を行い、望ましい授業場面の映像化などを進めることができる。 2)関係者の情報から、先進的な教師教育の視察先として適する国を選定し、早めに渡航計画を立てて、実行する。海外視察先の資料から実践力育成のポイントを整理し、養護教諭養成に適用可能な内容を精査することができる。 以上の2つを柱とした予算執行を計画している。
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Research Products
(9 results)