2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23531007
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Research Institution | Kyoto University of Education |
Principal Investigator |
相澤 伸幸 京都教育大学, 教育学部, 准教授 (20331259)
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Keywords | 教育哲学 / ニーチェ / ニヒリズム / 教育学 / 人間形成 |
Research Abstract |
この課題「ニヒリズムの積極的肯定に関する教育学的研究」の研究目的に沿った計画において、課題は大きく3つ設定している。そのうち2年目の平成24年度は、その中の課題1「教育思想の文脈においてニヒリズムを位置づける」のうち、(a)「ニーチェにおけるニヒリズムに関する思想を考察する」ことについては引き続き取り組んでいる途中であり、論文にまとめている。また(b)「これまでの教育目的論の問題点をニヒリズム肯定の観点から再構築する」にも取り組み、これについては論文をしてまとめたものを発表した。 その他、課題2「日本やドイツの学校教育におけるニヒリズム克服についての状況調査」のうち、(a)「日本の学校教育において、生きる力や自己肯定感を高めるための教育内容を調査する」ことに関して、平成24年度は、京都の中学校および高校においてアンケートを実施し、その数値を集計した。また、茨城県の高校教育についても調査を開始した。加えて、(b)「ドイツにおける宗教教育の現状と課題を調査する」について今年度は着手している。これら課題2の(a)および(b)の考察は、ドイツの研究者と共同でも行い、その成果については、一部をシンポジウムにおいて発表したので、今後、論文としてまとめるつもりである。 3つのうち2つの大きな課題について、徐々に進展しつつあるが、今後はさらなる調査の推進と、その分析成果をまとめる作業として最後の課題に取り組みたいと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では、研究目的を達成するために、3つの大きな課題をもうけている。そのうちの課題1と課題2に関して、計画通り研究に着手し、平成24年度はそれを進展できたので、2年目における進捗状況としてはおおむね順調であると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの平成23年度と平成24年度の2年間は計画通り進んでいる。したがって平成25年度も、課題1については引き続き(a)および(b)の問題に対処しながら、その成果を論文としてまとめていきたい。 また課題2については引き続き(a) と (b)の問題に対処しながら、実施したアンケートの分析を進めるとともに、ドイツの学校教育をさらに細かく調査して、日本との比較を深めていきたいと考えている。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究費の使用計画に関して、平成24年度までは、ドイツ現地での調査以外は、ほぼ計画通り進んでいる。したがって本年度は、この現地調査の実施を早急に行いたいと考えている。
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