2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23531007
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Research Institution | Kyoto University of Education |
Principal Investigator |
相澤 伸幸 京都教育大学, 教育学部, 准教授 (20331259)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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Keywords | ニヒリズム / 教育学 / ニーチェ / 人間形成 / 教育哲学 |
Outline of Annual Research Achievements |
学びのニヒリズムについて考察していくためには、研究内容を3つの課題に分け、それぞれを調査・研究しつつ、各課題を有機的・多角的に結びつけようと考えていた。そこで本研究は4年間の研究期間のうち、最初の3年でまず課題1「教育思想の文脈においてニヒリズムを位置づける」と課題2「日本やドイツの学校教育におけるニヒリズム克服についての状況調査」に取り組み、それを最終の4年目(本年度)に課題3「ニヒリズムを前提とした教育学の構築とニヒリズム肯定のための教育内容の開発」として総合的にまとめる計画をたてて実行した。 課題1はさらに(a)ニーチェにおけるニヒリズムに関する考察、(b)これまでの教育目的論や教育価値論の考察と分割して問題を設定し、この2つは平成25年度までにほぼ目標を達成済みである。課題2もさらに(a)小中学校における道徳教育の調査、(b)高等学校における道徳教育の現状と課題の調査と分割し、両者とも平成25年度までに終了しシンポジウムや論文において発表済みである。したがって本年度(平成26年度)はさらに、課題1と課題2を橋渡しするための論文「自然本性としての社会性の萌芽と展開に関する一考察」を発表した。 そして全体を包括する課題3のうち、(a)ニヒリズム肯定をデシプリン要素として取り入れた教育学へと検討を加えるために本年度行ったのは、申請者の『教育学の基礎と展開』を大幅に書き直して、第3版として出版したことである。これによって、研究成果を教育学的内容へと反映させ、ニヒリズム肯定に向けての教育学への適用を多少ではあるが果たすことができたと考えている。くわえて課題3の(b)学校における道徳的人間形成の実践の具体的提言については、研究成果を講義したものをビデオ撮影していたもの5講義を京都教育大学のWebにて今年度公開することができた。 以上が平成26年度をふまえた全体の実績概要である。
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