2013 Fiscal Year Annual Research Report
ヴィルヘルム・フォン・フンボルトの「教養」理念形成と「愛の書簡」
Project/Area Number |
23531012
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
櫻井 佳樹 香川大学, 教育学部, 教授 (80187096)
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Keywords | 教育学 / 思想史 / フンボルト / ドイツ / 教養 / 書簡 / 愛 |
Research Abstract |
「ヴィルヘルム・フォン・フンボルトの『教養』理念形成と『愛の書簡』に関する研究」は、フンボルトが妻カロリーネと交わした膨大な「愛の書簡」を研究対象として、彼らの日常的な「愛」の実践と思想が、彼の「教養」理念形成にいかなる影響を与えているかを解明しようとするものである。 23・24年度において、当時における「書簡」メディアの果たした役割について明らかにした。その成果を「ヴィルヘルム・フォン・フンボルトとドイツ書簡文化」として中国四国教育学会編『教育学研究』(CD-ROM版)第58巻に掲載した(平成25年3月発行)。「書簡の世紀」と言われる18世紀ドイツにおいて、書簡というメディアを使って、自己の感性を洗練させ、自らの徳を育てようとするブント(育徳同盟)に彼らは参加しながら互いの関係を親密なものにしていったこと。また書簡は、他者が学びうる学習教材としての価値があるとみなされ、そのため内面や秘密を打ち明けるという苦悩に直面せざるを得なかったことなどが明らかとなった。 25年度は、2013年9月27日にドイツ・ヴィッテンベルク大学で開催されたドイツ教育学会・陶冶・教育哲学委員会の2013年度年次大会において「Zur Entstehung des Begriffs der Bildung in Deutschland und Japan」(邦訳名:日独におけるビルドゥング(Bildung/教養)概念の成立について)について発表した。これは、フンボルトのBildug 理念の成立過程における社交性の問題、並びに日本におけるビルドゥング(教養)概念の成立を扱うことにより、日独のビルドゥング概念の成立過程の比較を行ったものである。それを通して、「ドイツにおける『教養・人間形成』(Bildung)概念の成立と展開」の一端として日本におけるビルドゥング概念の成立があることが跡づけられた。
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Research Products
(3 results)