2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23531027
|
Research Institution | Musashino Art University |
Principal Investigator |
高橋 陽一 武蔵野美術大学, 造形学部, 教授 (70299957)
|
Keywords | 国学 / 教科書 / 伝統文化 / 歴史 / 道徳 / 万国博覧会 / アメリカ |
Research Abstract |
2013年度(第3年度)は、前年度までの対象人物にくわえて、初等・中等レベルの教科書編纂と学問形成という大きな枠組みでの全体像を描くまとめの段階へと研究を進めるとともに、研究成果の発表を行う計画で実施した。 具体的には、個別大学の学問形成と日本の宗教と海外の学術研究の関係を明らかにする典型的実例として大谷大学に至る真宗大谷派の高等教育機関について研究をまとめ、「建学の精神をめぐる学問と宗教と国家―近代教育史のなかの大谷大学」(2013年10月、大谷大学招待講演)を行った。 資料の収集では、帝国大学令・大学令と連動する私立大学・前身校の学則類、教育勅語解釈に関する書籍類、国家と宗教に関する「共通教化」仮説の検証のための宗教関係書籍及び学術論文などをあつめて分析した。 研究の遂行に当たっては計画通りに昨年度より研究会を組織して、大学での研究会又は資料回覧等により各分野の専門家の知見を求めた。研究会には、伊東毅(武蔵野美術大学)、駒込武(京都大学)、竹内久顕(東京女子大学)、田口和人(桐生大学)、小幡啓靖(一般社団法人実践倫理宏正会)、小川智瑞恵(東京大学史史料室)、田中千賀子(武蔵野美術大学非常勤講師)、小澤啓(武蔵野美術大学造形研究センター・リサーチフェロー)、斎藤知明(大正大学講師)らが参加した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
予定どおり資料収集や研究交流を実施するとともに、大谷大学招待講演をはじめとして明治期の学問形成と宗教と国家などとの関係を成果の発表を行うことができた。 また、明治期以後の分野にも調査を進めることができた。
|
Strategy for Future Research Activity |
2014年度(第4年度)は、4年間の研究をまとめるとともに、今後の研究の展開を展望して、明治期の近代国学が、その後の「国学」という自覚が過去のものとなった時期、大正期以後の学問研究や教科書編纂に与えた影響を検討する視点へと移行する。 具体的には個別の大学や学問分野についての研究とともに、近代日本(明治期から戦時下まで)を視野に入れた学問と宗教と国家の関係についての仮説である「共通教化」仮説などをもとに、全体像を提起する学術論文の発表準備を進める。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
消耗品等を節約したので、若干の差異が生じた。 2014年度において使用する。
|
Research Products
(1 results)