2012 Fiscal Year Research-status Report
中華民国北京政府期における地方教育行政改革に関する研究
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23531033
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Research Institution | Beppu University |
Principal Investigator |
今井 航 別府大学, 文学部, 准教授 (20432700)
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Keywords | 教育学 / 教育史 / 中国 / 地方教育行政改革 / 教育庁 / 六・三・三制 |
Research Abstract |
本研究の目的の一つに中華民国北京政府期における地方教育行政改革のもつ意義を明らかにすることが挙げられている。本研究に先行し研究が進められてきた学制改革は当時の全国教育会連合会で進められた改革であったと言えるが、この全国教育会連合会では同時に地方教育行政改革も進められていた。例えば、各省教育庁の設置が促される改革案が議決されていた。その後、各省に設置されていった教育庁は、学制改革により導入された六・三・三制の実施、展開を任せられた。各省教育庁とはいったい何であったのか。それはどんな性格を有し、どんな役割を果たしたのか。当時の地方教育行政改革の意義を明らかにするためには、そうした課題に取り組む必要がある。当時の地方教育行政に関する先行研究の到達点と課題を明らかにした。 国立国会図書館関西館には、邵鳴九編『地方教育行政』商務印書館や、或いは曾毅夫編『地方教育行政』商務印書館がある。いずれも劣化が著しく複写が困難である。平成23年度に引き続き24年度も足を運び、直接に目を通した。 また、財団法人東洋文庫にも足を運び、張季信編『中国教育行政大綱』商務印書館や、或いは姜琦、邸椿共著『中国新教育行政制度研究』商務印書館の複写を部分的に入手することができた。両方とも同時代的な書物であり、中では当時の地方教育庁に関する基本的な記述が見られた。 上記4冊では、当時の地方教育行政改革の意義が述べられているとは言えないが、地方教育庁の仕組みに言及されており、その性格を知る手がかりにはなる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
先行研究の網羅的な調査ができたかと言えば平成23年度に引き続き24年度もそうでもないと言うしかないが、可能な限りで中華民国北京政府期の地方教育行政に関する先行研究の到達点と課題を明らかにできたことは進展した点と言える。 当時の地方教育行政改革の意義を明らかにするためには、各省教育庁の性格や役割に肉薄することが求められる。平成24年度に予定されていた国内での史料調査は進んだが、中国上海図書館での史料調査はできなかった。国内ではほぼ見込めない全国教育会連合会に関する新史料の発掘を中国でできなかったことが気がかりであるが、肉薄の仕方を少し変えてみることで対応するつもりである。 以上のことから、やや遅れていると判断される。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度は補助事業期間の最終年度に当たる。研究実施計画では研究成果をまとめ、発表することが計画されている。また、中国での史料調査ができなかった分を補う必要がある。広島大学に出向き、そこにある『教育雑誌』商務印書館に目を通すこととする。主に各省教育庁に関する記述を抽出する。これにより各省教育庁の性格や役割に肉薄する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度の計画では、日本の教育行政史関係図書の購入に50千円を計上している。 研究成果をまとめ、発表するための費用は、2回分(1回につき3日間)とし、東京別府往復80千円(40千円×2回分)、宿泊費40千円(一泊10千円×4泊分)、日当24千円(一日4千円×6日分)で、144千円を計上している。 広島大学での史料調査にかかる費用は、1回6日間とし、広島別府往復24千円、宿泊費50千円(一泊10千円×5泊分)、日当24千円(一日4千円×6日分)で、98千円を計上している。
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Research Products
(1 results)