2011 Fiscal Year Research-status Report
「東アジア」的教師像と教員養成実践・政策に関する基礎的調査研究
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23531047
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Research Institution | Tokyo Gakugei University |
Principal Investigator |
岩田 康之 東京学芸大学, 教員養成カリキュラム開発研究センター, 准教授 (40334461)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 教師教育 / 教師像 / 東アジア / 教育政策 / 教員養成 |
Research Abstract |
日本を中心に、漢字文化圏にある「東アジア」諸地域および仏教の影響の濃い東南アジア地域を対象に、(1) 政策動向に現れた教師像(政府系機関による資料調査、審議会答申等の資料収集・分析)および (2) 教員養成カリキュラムにおける「教員の在り方」的コンテンツの内容(教員養成プログラムにおける教師論的科目のテキスト収集・分析)の二点を企図した本研究の第一年次は、主に以下の三点に取り組んだ。1)教師教育政策と実践に関わる各地域の動向に関する「布置関係」(教師教育政策・実践をめぐる、中央政府・地方政府・養成機関等の各要素間の関連構造)の整理→日本教師教育学会第21回大会における研究発表2)日本の教員養成プログラムにおける「教師論」的な科目についての実態調査(シラバス類の収集、テキスト類の購入・分析等)3)国内外の大学における教育実習を中心とした実践体験的プログラムの参与観察と、実習の手引き類、実習評価票、実習実施要領等の資料収集、および実習指導者・実習学生へのインタビュー調査等(中国・首都師範大学初等教育学院〔北京〕、東北師範大学教育科学学院および東豊実験区〔吉林省〕、香港教育学院〔香港特別行政区〕、タイ・チュラロンコン大学教育学部および附属小学校〔バンコック〕、コンケン大学教育学部および附属小学校〔コンケン〕、および東京学芸大学附属国際中等教育学校等〕 特に第3の点において、実習学生と指導教員たちとの実際の指導場面(カンファレンス)に参与観察を行う機会を豊富に得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
国内外の大学における教師教育プログラムの実態についての参与観察および資料収集について、特に日本、中国(メインランドおよび香港特別行政区)、およびタイについて順調に進めることができた。しかしながら、スケジュールが年度後半に偏したこともあり(この背景には、予算の全額交付の決定が遅れたこともある)、これら以外の地域に関しての実態調査や資料収集が進んでおらず、また中国語・タイ語資料の翻訳も年度内に手がけることができていないなど、総じて見れば当初の計画より若干後退している面もある。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、教師像に関わる政策文書の収集、および国内外の実態調査を手がけていく。これまでに調査を行った地域(中国メインランド・香港・タイ)のほか、韓国・台湾およびシンガポール等の諸地域も候補に入れて進めていく。 また、これらとあわせ、教師教育カリキュラムにおける「教師像」「教師論」的科目の実態と、テキスト収集等も引き続き行っていく。 以上の研究の途上において、国内外の学会での中間的な発表を予定する(日本教師教育学会第22回大会=東京、および The 3rd East-Asian Conference on Teacher Education Research =上海、を予定)。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
「次年度使用額」相当分は、今年度に収集してまだ翻訳を行っていない資料の翻訳に当てる予定である。 それ以外の部分に関しては、当初計画通り、資料等の購入(書籍等の備品)、消耗品費、調査研究旅費(国内外)、資料整理の人件費・謝金、文献複写費等に使用予定である。
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