2011 Fiscal Year Research-status Report
欧州における大学教育のプロフェッショナル認定の仕組みと機能
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23531049
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
加藤 かおり 新潟大学, 教育・学生支援機構, 准教授 (80323997)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | FD / 大学教員 / 大学教育資格 |
Research Abstract |
本研究は、欧州高等教育において進行する大学教員の教育職としてのプロフェッショナル化の「文脈」に着目し、大学教育のプロフェッショナル認定の仕組みと機能を明らかにすることを目的としている。 23年度は、その研究目的にしたがって、大学教育のプロフェショナル認定の仕組みについて、欧州における大学教育のプロフェッショナル化についての文献調査、およびプロフェッショナル認定の実際の仕組みと機能について、スウェーデンとデンマークにおける海外調査を中心に行った。 スウェーデン、デンマークのプロフェッショナル認定の仕組みおよび機能の基本的な共通点として、次のことが確認された。まず、任期つきではないフルタイム、パーマネントの雇用形態にある大学教員(いわゆるテニュアのある教員)については、その採用や昇格などの人事事項と連動する要件として、大学教育におけるティーチングについての実践をふまえた学習もしくは研究開発の実績を証明することが大学の規定として設定されている。その方法は、一定の教育プログラムの修了やティーチング・ポートフォリオなどいくつかの選択肢がある。 同時に、そうした教育プログラムへの参加や実績の証明などの活動は、一次的な資格取得や義務というよりも、自律的な「専門職(Professional)」としての大学教員の継続的な職能開発の一環として位置づけられていること、履修したプログラムの単位は欧州単位互換制度(ETCS)における互換を可能とする等、ボローニャプロセスの枠組みを考慮した仕組みとなっていることなど、すでに研究報告のあるイギリスの事例と共通する点も多いことが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成23年度の計画は、主に、欧州高等教育圏における、大学教育というプロフェッション、プロフェッショナルの現代的意味を明確にするため、関連する文献資料を収集整理し、大学教育プロフェッションに関する要件などを分析すること、3ヵ年を通して、プロフェッショナル認定の先進的な仕組みをもつ欧州圏内の数カ国における海外調査研究を行うことのうち、平成23年度は、まず北欧2カ国程度へ、1週間程度の海外出張を1回行い、関係する高等教育機関、専門家もしくは担当者を対象に面接ヒアリング調査を行うことであった。 以上のことについて、まず、スウェーデンおよびデンマーク2カ国における海外調査を実施し、資料収集ならびに分析を進めた。同時に、大学教育のプロフェッショナル化についての文献調査を行い、特に欧州の動向を牽引する英国におけるそのプロフェッショナル化の現代的意味と在り方についての論文を発表した。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度は、23年度同様に海外調査を続行し、調査を終えた国の事例から資料情報を整理し、分析作業を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究費は、海外旅費を中心に使用する計画である。
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Research Products
(2 results)