2012 Fiscal Year Research-status Report
欧州における大学教育のプロフェッショナル認定の仕組みと機能
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23531049
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
加藤 かおり 新潟大学, 教育・学生支援機構, 准教授 (80323997)
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Keywords | 大学教授職 / FD / フィンランド / ノルウェー |
Research Abstract |
2012年度は、本研究のテーマである「大学教育のプロフェショナル認定の仕組み」について、計画のとおりノルウェーとフィンランドにおける海外調査を中心に行った。 調査した2か国の仕組みは、それぞれの国の高等教育事情の文脈の相違から取組に至る背景や取組に関する法的な規定などには相違があるものの、分析の結果、次のような共通する特徴がみられた。 任期つきではないフルタイム、パーマネントの雇用形態にある大学教員については、大学教育におけるティーチングについての実践をふまえた学習もしくは研究開発の実績・能力を証明することが大学の規定として設定されていること。それらの規定が、少なくとも教員の採用や昇格などの人事事項と連動していること。教育実績や能力証明の方法には、一定の教育プログラムの修了やティーチング・ポートフォリオなどいくつかの選択肢があること。そうした教育プログラムへの参加や実績の証明などの活動は、「専門職(Professional)」としての大学教員の継続的な職能開発の一環として位置づけられていること。これらの取り組みについて、各国の大学をリードするトップクラスの大学が率先的に取り組み、国のベンチマークとしての役割を果たしていること。そうした大学を中心に、大学トップの協議による大学間の共通認識の浸透が進んでいること。そうした意味において、大学の自立性を保ちつつ、大学教育の質の保証および大学教育の公共性への責任を担保する取り組みであることが確認された。同時に、各大学における具体的な認定方法も確認された。したがって、本成果をもって、この仕組みの骨格となる共通スキームと、各国や各機関の状況にあわせた方法の選択肢を提示することができる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は、欧州高等教育において進行する大学教員の教育職としてのプロフェッショナル化の過程に着目し、教員自らが教育の能力・資質を証明する方策としての大学教育のプロフェッショナル認定(以下、プロフェッショナル認定)の仕組みと機能を明らかにすることを目的としている。 現在までに、ほぼ計画どおり北欧の主要4か国における仕組みについての調査を実施済みであり、各国ならびに機関ごとの事例を含めた取組の特徴について、共通点および相違点(異なる選択肢の事例)の分析を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、引き続き、「大学教育のプロフェッショナル認定の仕組み」について、計画にある欧州の他の国での調査を継続して進める。 同時に、調査結果についての分析を進める。分析結果については、一定のまとまりごとの成果の発表を、学会等における口頭発表、論文発表などを通して行う予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度は、海外調査のための出張など旅費を中心に使用する計画である。
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