2012 Fiscal Year Research-status Report
国立大学法人の「性差保健」研究による地域貢献のあり方についての省察的実践研究
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23531050
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
西原 亜矢子 新潟大学, 医歯(薬)学総合研究科, 保健学研究科内講師 (70436731)
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Keywords | 社会教育 / 学習組織論 |
Research Abstract |
1.第2回国際質的健康研究学会(6月28-30日、ミラノ・聖カトリック大学)で示説発表"Creating Community of Practice within GSH-Gender Specific/Sensitive Health Promotion"を行った。本発表では、本研究でテーマとする新たな学際的概念「GSH」の国際的な提起及びGSH研究実践センターを通じた地域貢献の展開(実践)を省察的に研究することの意義を打ち出した。同学会のテーマが"Engaging people in Health Promotion & Well-Being"、すなわち質的実践研究を通したコミュニティ形成であったことから、関心の近い実践研究者が多く、日本での健康におけるジェンダーの問題や、リフレクション研究方法など質問や意見をもらうことができた。 2.日本社会教育学会第59回研究大会(10月7日、北海道教育大学釧路校)にて、自由研究発表「地域における住民の健康支援と実践コミュニティ」を行った。本報告は、新潟県内の保健師によって30年以上続けられている自主学習会への継続的参加と学習会のリーダーへのインタビューを通して、新潟の地域特性をふまえた健康支援を支える学習会(実践)の展開をあとづけた中間報告である。また、本研究テーマである「GSH」の研究及びヘルスプロモーション実践による地域貢献を展開するためには、地域(新潟)の健康支援の専門職である保健師の参与・協力が必要不可欠であり、保健師たちとの関係づくりを兼ねている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究代表者による実践の省察、事業関係者との共同省察は継続的に行っており、国内外の学会で発表している。事業参加者へのインタビュー及び連携研究者との共同での省察が、スケジュール調整の困難さがあり延期されたが、本年度中に実施予定である。 研究課題を実践的に深め、「GSH」の地域展開及び実践の省察を行うために、新潟県内の保健師(健康支援専門職)との「学習会」を通じた関係づくりが開始された。また、新たな学際的概念である「GSH」を国際的に提起することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究・実践を通じて、「性差保健」(性差に配慮した健康支援)は、すでに地域でいろいろな形で「健康支援」として展開されている実践を、「性差」という枠組み・観点からとらえ直すことにより、新たにカテゴライズした知を生成して地域に還元しうる方向性を見出した。そのため、「性差保健」をテーマとする実践研究ラウンドテーブルを開催し、新潟で行われている健康支援の実践を共同で省察する。それによって、新潟で積み重ねられてきた実践に内在するジェンダーの問題、性差に配慮した健康支援の実践知を顕在化させていく。 ・最終年度として、本研究の成果を報告書にまとめる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
1.性差保健をテーマとするラウンドテーブル(実践の共同省察)開催及び事業参加者 へのインタビュー テープ起こし:10万円 2.学会発表/ラウンドテーブル(他大学での報告のため)旅費:12万円 3.成果報告書:印刷費用30万円 英文校閲:14万円
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Research Products
(3 results)