2014 Fiscal Year Annual Research Report
校内授業研究における教師の職能発達を支援する校長のリーダーシップに関する研究
Project/Area Number |
23531052
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
北田 佳子 埼玉大学, 教育学部, 准教授 (60574415)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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Keywords | 学校経営 / 校長のリーダーシップ / 校内研修 / 授業研究 / 教師の職能発達 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、①「校内授業研究に関する校長の意識調査」、②「校内授業研究における校長の役割に関する実態調査」、③「校内授業研究を支える学校文化の発展過程に関する調査」を三つの柱としている。前年度までに国内の②と③の調査を終了し、本年度は①の調査を実施、ならびに海外(台湾・インドネシア)における②と③に関連する調査を実施した。そして最終年度として、すべての研究調査の総括を行った。 これまで明らかになったこととしては、まず、②の調査おいて、校内授業研究を学校経営の中核に据えた先駆的な実践を推進している静岡県の公立中学校の事例を分析し、校長が明確なヴィジョンを持ちながらも、学校の実態に応じてリーダーシップの発揮の仕方を柔軟に変化させることの重要性を明らかにした。さらに、③の調査においては、校内授業研究のなかで教師たちの専門的力量が形成されていく過程を明らかにするとともに、そこで果たす校長の役割を分析した。 本年度は、さらに台湾とインドネシアの学校を視察し、校長ならびに教職員へのインタビューを実施した。その結果、日本国内の調査で得られた知見、すなわち、校長が明確なヴィジョンを持ちながらも、各学校の実態に応じてリーダーシップの発揮の仕方を柔軟に変化させることがきわめて重要であることが明らかとなった。 さらに、本年度は、静岡・富山・兵庫・茨城の公立小中学校を対象に、①の調査を実施した。その結果、校長が授業研究を単なる授業改善の手段としてではなく、教職員の職能発達を支援する学校文化づくりの重要な活動と捉えている学校ほど成果を上げていることを明らかにした。 従来の校長のリーダーシップに関する先行研究では、本研究のような多角的な視座から教師の職能発達を支援する校長のリーダーシップについて探究したものは少なく、その意味で、本研究が示す知見は重要な意味をもつものと考える。
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Research Products
(7 results)