2014 Fiscal Year Annual Research Report
ガバナンス論の政策分析枠組みとしての「有効性」と「合理性」に関する基礎的研究
Project/Area Number |
23531055
|
Research Institution | Chubu University |
Principal Investigator |
武者 一弘 中部大学, 全学共通教育部, 教授 (50319315)
|
Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2015-03-31
|
Keywords | 教育のガバナンス / 学校の再配置 / まちづくりと学校づくり / フィンランドの学校経営 / 小中一貫校 |
Outline of Annual Research Achievements |
本科研課題の解明に向けて平成25年度までの研究成果をうけて、次の三つのアプロ-チから進めた。①教育委員会制度の抜本改革を迫る多様なアクターの議論を対象とするガバナンス研究の分析、②従来の教育行政の機構改革を対象とするガバナンス研究の分析、③既に教育行政の機構改革を実現した自治体を対象とするガバナンスの変動の実証的調査である。 平成26年度は、概略次のような研究を行った。まず①については、第二次安倍政権下では教育再生実行会議や中央教育審議会などで教育委員会制度の廃止・抜本的な見直しが議論され地方教育行政の組織及び運営に関する法律の改正が実現したことから、90年代以降と今日の教育委員会制度改革の議論を教育のガバナンス改革と捉えて分析した。②については、引き続き欧米のガバナンス論の特質を考察した先行研究を収集・分析した。欧米の社会的・文化的文脈でガバナンス論を把握するため、欧州における教育ガバナンス改革の一つの最前線となっているフィンランドに通算三回目の調査に入った。フィンランドでは平成25年度に親や住民の学校参加制度の大改革があった。全国親の会理事、ヴァンター市の親の会代表、同市立小学校校長らと面談を行い、新たな学校参加制度の評価、新制度への移行プロセス等について聞き取りを行った。他方でドイモイ政策の下、アジアで屈指の教育ガバナンスの改革を行っているベトナムに調査に入り、欧米のそれとの比較を行った。③については、これまでに行ってきた平成の市町村合併後の新市町村の建設と平成の市町村合併を経験していない市町村の再構築、そして市町村立学校の再配置について調査を進め、それらの類型化をさらに検討するとともに、学校づくりとまちづくりのあり方を、調査を通じて明らかにした。 平成26年度までの主な研究成果は「研究成果の発表」に示したもののほか、勤務校での授業、教員免許更新講習などで活用した。
|
Research Products
(4 results)