2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23531057
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Research Institution | Aichi University of Education |
Principal Investigator |
小川 英彦 愛知教育大学, 教育学部, 教授 (30290159)
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Keywords | 幼児教育史 / 知的障がい幼児史 / 幼稚園教育要領 / 保育所保育指針 / 実態把握 / 集団 / 個別 / 連携 |
Research Abstract |
①研究の目的に照らし合わせて 幼稚園教育要領と保育所保育指針の変遷(これまでの4回にわたる通知や告示)の中で、障害児保育に関する記述の変遷を整理することが明確にされた。本研究では、2008年度の告示に関して力点を置いて、その特徴を明確できた。 ②研究実施計画に照らし合わせて 第一回では、障害児の取り上げ方について、第二回では、統合保育・保護者について、第三回では発達・障害についての記述に特徴や変化がみられる。第四回では、幼稚園教育要領と保育所保育指針を比較してみると、いくつかの共通する事項が記述されている。①障害の状態、②一人一人の・個々の、③計画を個別に作成する、④指導計画を柔軟に・指導内容や指導方法の工夫、⑤他の子どもとの生活を通して共に・集団の中で生活する、⑥職員の連携の中・組織的、⑦家庭や関係機関との連携といった点に特徴や変化がある。第三回と比較すると、保育所保育指針では、交流機会を設けること、障害児通園施設への通所についての考慮、障害の種類や程度という記述が今回の改訂ではなくなっている。また、幼稚園教育要領でも障害の種類や程度という記述が消失して、障害の状態と変わっている。2007年より特別支援教育がスタートしたため、遵守の義務が生じてきて、①~⑦の点に新しいこれからの障害児保育の方向性を考えさせられる。 本研究では、(1)子どもの実態把握、(2)個別の計画、(3)集団の保障、(4)幼保小の連携、(5)地域の連携について深く掘り下げて明確化した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実施計画に記した幼稚園教育要領と保育所保育指針の今日までの4期にわたる変遷に関する研究をかなり明確にできたため。 特に、第四回の今回の告示にあたっては、細かな検討をしたためこれからの障害児保育の方向性を示す研究となったと思われるから。
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Strategy for Future Research Activity |
戦前に障害児保育の先駆的役割を果たした三木安正をとりあげて研究を進める。そのときに、保育問題研究会と愛育研究所の活動を資料をもとに明らかにしていく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度の研究費の使用計画については、資料収集のため関東方面と関西方面の3日間4回、通信費と関連書籍の購入を中心に計画している。 次年度使用額(B-A:199325円)は、古書購入予算に比して安価であったため生じたが、引き続き平成25年度に繰り越して古書購入に使用する予定である。
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