2012 Fiscal Year Research-status Report
教師バーンアウトを克服する教師・学校プログラムの開発研究
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23531059
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Research Institution | Wakayama University |
Principal Investigator |
松浦 善満 和歌山大学, 教育学部, 教授 (40243365)
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Keywords | 海外日本人学校(シンガポール) |
Research Abstract |
教師バーンアウトに関する、基本仮説をバーンアウト教員の要因分析に求める従来型の研究手法を脱却し、バーンアウトせずに健康でかつ児童生徒の教育に取り組んでいる教師と学校のもつ要件を明らかにすることが本研究の狙いである。逆仮説として、教師全体が教育モチベーションンが高い学校として、北海道余市郡にある北星学園余市高校を調査対象として、フィールド調査を10月1日から3日にかけて実施した。 教員への聞き取り、生徒アンケート調査に加え、保護者アンケートも実施し、その結果を中間報告書「教師バーンアウトに関する開発研究・北星学園余市高等学校調査研究ー元気な学校の要件とは何かー」(2013年2月26日)としてまとめた。なお、調査は多面的大規模であるので、調査員として院生・学生を雇用し調査ほーマットの説明等を徹底し、聞き取りにあたっては、対象者への配慮を行うとともに、調査者のICコーダ、半構造化面接法の研修を行った。 以下研究内容の概要を、同報告書の章立てをもって紹介する。序章「北星の素顔ー生徒会交流からー」(pp.1~11)第1章「調査の目的と方法」(pp.12~13)第2章「北星学園余市高等学校の歴史と同校をとりまく地域」(pp.14~23)第3章「北星学園余市高校調査から」(pp.24~44)第4章「座談会 現地調査を振り返って」(pp.45~53)第5章「北星学園余市高等学校調査を通して見えてきたもの」(pp.54 ~56) 資料・高校生意識調査票・アンケート結果、保護者アンケートと調査結果、安河内校長、小野澤教頭の聞き取り結果、教師グループディスカッション状況データ等 (pp.57~111)
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
第1年度において海外日本人学校調査を実施し、国内の教員と異なり、在外の日本人学校教員の教育モチベーションの高さが推認できた。その課題は、教育理想を有していること。 他府県の多様な教員との共同行為が彼らのモチベーションを高める背後環境であることなどが明らかになり。本仮説のもつ位置を明らかにできた。また第二年度においては国内調査を実施し、在外学校とはことなる条件下であっても、教育理想とモチベーションの高さの関係を立証する学校の機能を明らかにすることができた。 その一つは、生徒の成長を可視化し確認できること、さらに教育の自律性を学校が担保していることなどが、元気な学校の要件として明らかにできた。これらの二つの調査から、さらにプログラム開発の可能性が3年目に見通されている。以上のことから研究はほぼ順調にすすんでいると評価している。
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Strategy for Future Research Activity |
上記欄に現在までの進捗状況を評価したように、本年度は教師バーンアウトを克服する学校要件、教員要件の設定とプログラム開発を行う。そのために2度の調査地点への検証調査を実施するとともに、成果を学会等に発表する計画である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度に繰り越した10万あまりの予算に関しては、沖縄県立高校調査を計画したが、大津いじめ事件の委員会業務棟で実施できなかった。今年度は早期に実施し、繰り越し予算を使用する計画である。
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Research Products
(3 results)