2011 Fiscal Year Research-status Report
大学ガバナンス改革における組織文化と職員開発に関する国際比較研究
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23531062
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
大場 淳 広島大学, 高等教育研究開発センター, 准教授 (50335692)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 大学ガバナンス / 組織文化 / 職員開発 / リーダーシップ / 大学経営 |
Research Abstract |
本研究の初年時に当たる平成23年度は、関係する先行研究に関する文献・論考等の収集・読解を進める一方で、研究協力者の支援を仰ぎつつ大学の組織文化と業績の関連等を分析するためのアンケート調査の準備を行った。先行研究レビューとしては、主としてアングロ=サクソン諸国において出版された大学ガバナンスや組織文化、リーダーシップ全般に関する文献の読解を行うとともに、大学のパフォーマンスが信頼(trust)に大きく依存するといった先行研究の知見を踏まえて信頼に関する文献の読解を行った。そして、組織文化や信頼等に関連して先行して行われた調査を参考としつつ、アンケートの調査票の設計等を検討した。また、フランスにおける2007年の大学の自由と責任に関する法律(LRU、日本の国立法人化に相当する改革をもたらした法律)制定以降の大学ガバナンス改革について、文献やウェブ等を通じた調査を行った。他方、先行研究等の把握やアンケート調査準備と並行して、国内の大学訪問や関連する研究会への参加を通じて、関連する情報の収集や意見交換等に努めた。また、平成24年3月にフランスへの訪問調査を行い、パリ市内及びその周辺の大学、ストラスブール大学、トゥルーズ=ル=ミライユ大学、ペルピニャン大学、ロレーヌ(旧ナンシー)大学等の管理職員(教員・事務)や教員等を対象として、大学ガバナンスに関するインタビュー調査を行った。また、同国の複数の高等教育研究者にもインタビューを行った。これらの結果、高等教育への国家統制が強いフランスにおいては、運営組織構造が法令で定められ限られた自律性しか認められていない大学においても、ガバナンスの在り方は多様である一方で、歴史・伝統や地理的条件、学問領域、規模等によって左右されることが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
先行研究の読解や国内外の調査を行うことによって、大学ガバナンスや組織文化についての理論的枠組の一定の整理を行うことができ、また、それらの実態や課題等をある程度明らかにすることができた。また、アンケート調査の調査票の設計をある程度行うことができ、次年度に実施する目処が立った。また、雑誌等への出版や学会等での報告もそれぞれ複数回行うことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
23年度に引き続いて先行研究等の読解を進めるとともに、国内外の大学訪問調査や研究会への参加を通じて情報収集や意見交換に努める。また、アンケート調査の調査票を完成させ、プレテストを経て実施し、結果を入力し、可能であればその分析を行う。訪問調査やアンケート調査の結果については、研究会で適宜報告を行うとともに、出版に向けての準備を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
関連する文献やその他必要な物品の購入、国内外の訪問調査や研究会参加、アンケート調査の実施(郵送費、入力費等)、研究支援(アルバイト)のための経費に使用することを予定している。
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Research Products
(7 results)