2013 Fiscal Year Annual Research Report
教師の職能形成に影響する社会的・制度的要因の析出と政策的・経営的示唆の提示
Project/Area Number |
23531070
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
川上 泰彦 佐賀大学, 文化教育学部, 准教授 (70436450)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
妹尾 渉 国立教育政策研究所, 教育政策評価研究部, 主任研究官 (00406589)
高木 亮 就実大学, 教育学部, 講師 (70521996)
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Keywords | 教育学 / 教育政策 / 教員人事 / ストレス / メンタルヘルス / 職能開発 / 教員 |
Research Abstract |
平成25年度は、2つの県における初任教員のストレスと職務適応感について、年2回(年度中盤と年度終盤)の調査を実施した。また1つの町における全教員を対象に、同様の調査を実施した。フィードバックを希望する教員に対しては、個別の調査結果を返却する一方で、平成24年度の調査結果とあわせて分析作業を進めた。結果については日本教育行政学会・日本教育経営学会の各大会において報告を行ったほか、調査対象者となった各県の教員研修担当者と教育委員会の配置担当者との間では、組織的・行政的なフィードバックに向けての検討を重ねた。 平成23年度からの研究期間全体を通じて、教師のストレスと適応感に関する調査票の開発を進めてきたが、これは一応の完成をみて、平成24年度・平成25年度と対象教員数を増加させながら調査を積み重ねることができた。先に挙げた1町については、2年間の追跡調査が行えたため、特定の勤務地で経験を重ねることが教員のストレスや適応感にどう作用するかについて、仮説的にではあるが分析を進めることができた。 この研究期間中に、研究代表者は著書『公立学校の教員人事システム』(学術出版会)を出版したが、自治体による教員人事行政が、そこに勤務する各教員に対してどのような効果・影響を持つのかについて定量的な知見を導き出すことはできていなかった。本研究を通じて蓄積したデータは、そうした未解決部分について考察を進める上でも重要なものとなった。また研究機関前半で取り扱った精神疾患事由病気休暇・病気休職の制度に関する整理は、人事施策としてのメンタルヘルス対策がどのような課題状況にあるのかを明らかにするものであった。
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