2011 Fiscal Year Research-status Report
格差是正に向けた生涯学習施策の論理と戦略に関する調査研究
Project/Area Number |
23531072
|
Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
背戸 博史 琉球大学, 生涯学習教育研究センター, 教授 (50305215)
|
Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
|
Keywords | 生涯学習 |
Research Abstract |
本研究「格差是正に向けた生涯学習施策の論理と戦略に関する調査研究」は、「知の循環型社会」の構築を目指す一連の生涯学習施策にあって、知や文化を巡る地域間格差および個人間格差がいかなる論理と戦略によって是正されようとしているのかを究明するものである。初年度となる平成23年度は、以下のような研究を行った。 計画「I.生涯学習施策や成人学習に関する理論研究」については、書籍や関連資料によって、昨今の生涯学習施策の動向について情報を収集し、理解を深めた。また、成人学習に関しては、近年注目されているワークショップに関して、その手法や効用などについて研究をすすめた。 計画「II.地方自治体行政に関する理論研究」については、知や文化を巡る地域間格差および個人間格差を是正するために、地方自治体がいかなる取組を行っているのかについて、書籍や関連資料などによって情報を収集した。とりわけ23年度は、総務省が推進する定住自立圏構想に着目し、その理念や制度設計について研究するとともに、同構想に取り組む全国すべての圏域についてホームページなどによって情報収集を行った。 計画「III.先進自治体の調査研究」については上記ですすめた研究を実態レベルで検証する目的から、多くのワークショップを実施し施策実施の過程に住民意向を反映させようとつとめる埼玉県三郷市や、定住自立圏構想をすすめる北海道小樽市を訪問し、しりべし地区における生涯学習機会の充実方策についてを調査した。 こうした研究を進めるなかで得られた成果の一部については、日本教育制度学会第19回大会課題別セッションで発表を行うとともに、研究代表が所属する琉球大学生涯学習教育研究センターが発行する研究紀要『生涯学習フォーラム』第6号に論文を投稿・掲載した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究はおおむね順調に進展しているが、当初、有力な調査地として計画をしていた宮城県石巻市や宮崎県都城市など自然災害に見舞われた地域があり、調査地選定などにおいて若干の軌道修正があった。
|
Strategy for Future Research Activity |
平成24年度も、引き続きI.生涯学習施策や成人学習に関する理論研究、II.地方自治体行政に関する理論研究、III.先進自治体の調査研究の3本立てで研究を遂行する。IIIに関しては、定住自立権構想に取り組む圏域の他、個人間格差の是正施策という観点から注目される子育て支援の総合化の動向についても留意する。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
物品費としては書籍・資料に加え、映像や音声資料の収集・保存のためビデオカメラやボイスレコーダなどを購入する。旅費に関しては、当該研究の関心から注目される自治体への調査訪問の他、成果発表および情報収集のため各種関連学会に出席する。人件費・謝金、その他の経費に関してはいまのところ計画していない。
|