2012 Fiscal Year Research-status Report
格差是正に向けた生涯学習施策の論理と戦略に関する調査研究
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23531072
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
背戸 博史 琉球大学, 生涯学習教育研究センター, 教授 (50305215)
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Keywords | 生涯学習 / 格差 / NPO / 協働 |
Research Abstract |
本研究「格差是正に向けた生涯学習施策の論理と戦略に関する調査研究」は、「知の循環型社会」の構築を目指す一連の生涯学習施策にあって、知や文化を巡る地域間格差および個人間格差がいかなる論理と戦略によって是正されようとしているのかを究明するものである。2年度目となる平成24年度は、以下のような研究を行った。 計画「I.生涯学習施策や成人学習に関する理論研究」については、昨年度に引き続き書籍や関連資料によって、昨今の生涯学習施策の動向について情報を収集し、理解を深めた。また、成人学習に関しても、引き続き、近年注目されているワークショップに関してその手法や効用などについて研究をすすめた。 計画「II.地方自治体行政に関する理論研究」については、知や文化を巡る地域間格差および個人間格差を是正するために、地方自治体がいかなる取組を行っているのかについて、書籍や関連資料などによって情報を収集した。とりわけ24年度は、引き続き総務省が推進する定住自立圏構想に着目し、その理念や制度設計について研究するとともに、子育て支援行政の計画化・総合化のなかで、生涯学習関連NPOがいかなるかたちで公的支援に関わっているかについて検討した。 計画「III.先進自治体の調査研究」については上記ですすめた研究を実態レベルで検証する目的から、広範な取り組みを体系的に行う「みのかも定住自立圏」の実態調査を行うとともに、子育て支援に関する格差是正の実態については多くのNPOが行政と協働する福岡市の実態調査を行った。 こうした研究を進めるなかで得られた成果の一部については、日本教育制度学会第20回大会における課題別セッションや各種の研究会で発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究はおおむね順調に進展しているが、調査対象のひとつであったNPOから実名の使用と決算への言及を差し止められ、公表を見合わせた研究が1件ある。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度は、引き続きI.生涯学習施策や成人学習に関する理論研究、II.地方自治体行政に関する理論研究、III.先進自治体の調査研究の3本立てで研究を遂行するとともに、最終年度として、これまでの研究を総括する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
物品費としては書籍・資料を購入するとともに、集積した画像・音声データの整理・編集に必要な機材を購入する。 旅費に関しては、当該研究の関心から注目される自治体への調査訪問の他、成果発表および情報収集のため各種関連学会に出席する。 人件費・謝金、その他の経費に関してはいまのところ計画していない。
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