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2011 Fiscal Year Research-status Report

米国における学校法人の多元化―チャータースクールと私立学校の比較を焦点に―

Research Project

Project/Area Number 23531085
Research InstitutionHosei University

Principal Investigator

高野 良一  法政大学, キャリアデザイン学部, 教授 (40175427)

Project Period (FY) 2011-04-28 – 2014-03-31
Keywordsチャータースクール / 私立学校 / 学校法人 / ボランタリズム / 専門職主義 / 教育官僚制 / カソリック学校 / 教員団体
Research Abstract

本研究の目的は、法人ボランタリズムの組織的特質の究明である。法人ボランタリズム(corporate voluntarism)とは、教育社会史研究者のマイケル・B・カッツが、米国の公教育組織化を史的究明するなかで析出した学校組織の理念型である。1990年代以降のアメリカには、チャータースクールと私立学校という2種類の学校法人が実在する。本研究では、この2つの学校法人を新と旧の法人ボランタリズムと捉えた上で、両者の分析を通じて法人ボランタリズムの解明をおこなうことになった。 本年度はチャータースクールと私立学校を比較する研究の初年度である。そこで、前者では従来と異なる視点や最近の注目すべき事例を探索すること(研究実施計画(1))、後者では基礎的な情報を収集し整理すること(同(2))、を研究の重点とした。(1)の成果は、教員団体のチャータースクールへの対応という視点を持ち込み、教員団体の産業別組合主義から専門職主義への組織変化がその対応を規定すると推定できたことである。この推定は、教育官僚制(学区労使協調体制)の一角を占める教員団体がチャータースクールに敵対するという通説を覆し、この協調体制を進化させる柔軟な対応の諸事実を説明可能にする(『教育学研究』第79巻2号所収の書評論文を参照)。 (2)の計画は、今世紀に入っても私立学校の過半を占めるカトリック学校(catholic schools)に対象を絞り、その組織的分析に資する情報を収集・整理し始めた段階にとどまる。少ない知見の一つを挙げれば、全国カトリック教育連盟の現地調査を通じて、20世紀中頃に比して生徒数が半減し、ヒスパニックなどのマイノリティ生徒も増加する中で、カトリック学校が質的な転換(transformation)を迫られるなかで、その組織的近代化を模索している事実をつかんだことである。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

研究費交付決定の遅れや3.11震災の影響から、夏休みに予定した現地調査が行えず、これが春休みまでずれ込んでしまった。しかも、春休み調査は諸般の事情から期間を短縮して実施せざるを得なかった。言い換えれば、本年度の研究のかなりの部分を、文献やインターネットを通じた間接的な調査に費やさざるを得なかった。それゆえ、間接情報に基づく推定や、興味ある諸事実は確認したが、これを裏付け掘り下げて論文にするまでには至っていない。

Strategy for Future Research Activity

チャータースクールの注目すべき事例については、CMO(charter management organization、チャータースクールの設立や経営を担う非営利組織)の典型事例とされるKIPP(Knowledge is Power)本部と複数のKIPP Academy、それに個別チャータースクール内部に教員団体が組織されたCamino Nuevo Charter Academyに調査対象を絞りこみ、平成24年の夏休みに現地調査を実施する。 加えて、私立学校研究では、カトリック学校の事例調査校を選定すると同時に、私立学校のもう一つの類型であるIndependent schoolについて、その全国組織であるNational Association of Independent Schoolsの現地調査を冬休みにおこない、平成23年度の調査研究の遅れを取り戻す。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

次年度使用額が18,076円生じた。これは、実施できなかった現地調査の旅費を図書購入費に振り向けた末に、多少残った研究費である。この金額をふくめた次年度使用できる直接経費の総額は、1,118,076円である。 この総額の使途として、まず2回のアメリカ現地調査の旅費として、23年度と同額である706,000円をあて、残る412,076円を研究図書購入費やパソコン消耗品の購入費として使用する予定である。

  • Research Products

    (1 results)

All 2012

All Journal Article (1 results)

  • [Journal Article] 書評:高橋哲著『現代米国の教員団体と教育労働法制改革』2012

    • Author(s)
      高野良一
    • Journal Title

      教育学研究

      Volume: 第79巻第2号 Pages: 掲載確定

URL: 

Published: 2013-07-10  

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