2012 Fiscal Year Research-status Report
保育者の「実践の質保証」とアイデンティティ形成に関する長期縦断研究
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23531095
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
西山 修 岡山大学, 教育学研究科(研究院), 准教授 (50310850)
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Keywords | 保育者 / 実践の質保証 / アイデンティティ / 縦断研究 |
Research Abstract |
養成あるいは初任期にあたる青年後期は,アイデンティティ形成という発達上の課題に直面する時期でもある。筆者は、子どもの社会的発達を支え援助していくこれからの保育者には、専門的知識・技能の修得のみならず、保育者自身の自我の成長発達を志向した養成とその後の支援が不可欠と考える。これによる実践の質保証が叶うと考える。そこで本研究では次の3点を主な目的とした。1 養成期から初任期にかけての縦断的調査により保育者固有のアイデンティティ形成とその再統合のプロセスを明らかにする。2 アイデンティティ形成と領域「人間関係」に係る効力感など他の要因との関連を明らかにする。3 保育者のアイデンティティ形成と再統合を志向した、養成から初任期、中堅期に至る支援モデルを提案する。 本研究は、2002年から実施された保育者志望学生に対する大規模な調査データを有効活用し、長期縦断的な研究を推進するものである。本研究の目的に即して本年度は、1 保育者志望学生のアイデンティティ形成等に関する継続的調査を開始した。収集済みの養成校卒業期のデータについては、さらに整理・分析を進めた。2 アイデンティティ形成との関連が示唆されている、領域「人間関係」の保育者効力感について、新たに免許状更新講習を利用した支援プログラムを試行し、その結果を報告した。3 研究レビュー等を目的として国内外の文献を公的機関等において収集した。これらと並行して、国内の研究者から指導助言を受けることができた。研究成果の一部は、関連学会誌へ投稿し公表を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は、2002年から実施された保育者志望学生に対する大規模な調査データを有効活用し、長期縦断的な研究を中心に推進するものである。本年度は、保育者志望学生のアイデンティティ形成等に関する継続的調査を開始した。研究代表者の異動等のため、実施時期が遅れているが想定の範囲内であり、最終年度まで計画的に進め、完了できる見通しが立っている。収集済みの養成校卒業期のデータについては、さらに整理・分析を進めることができた。成果のいくつかは投稿に至っている。以上の理由から区分を「(2)おおむね順調に進展している」とした。
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Strategy for Future Research Activity |
縦断的調査は、様々な分析に耐え得る大量データを収集するため、3養成校(最終年度は4養成校)の卒業生に依頼し、年次をずらしながら3年間かけて実施する。よって前年度と同じ作業を着実に繰り返し進めつつ、データの整理・分析を急ぐこととなる。研究計画の大きな変更はない。 順次、保育実践者や諸分野の研究者から研究への評価やフィードバックを仰ぐ。今年度に引き続き、学会誌等への発表を進め、査読等によりフィードバックされた意見を活かしていきたい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本研究は、研究代表者による単独研究ながら、学外研究者(養成校教員など)、自治体の幼児教育担当者等と協働しつつ、実施と評価を行い、大規模に展開を図る。このため、実施の協議のための「研究打ち合わせ費」「複写費」、大量データ分析のための「研究補助費」「文房具費」、郵送調査のための「通信費」「印刷費」等、主に研究活動の円滑な推進や運営のための経費を引き続き計上している。 これまでに当面の物的環境を整えることができた。さらにデータの整理・分析に必要な物品等を購入する。加えて、入力作業等のための研究補助者1、2名を雇用し、研究を促進したい。
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Research Products
(4 results)