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2013 Fiscal Year Research-status Report

高校教育における生徒に応じた支援策のあり方―「諦め」意識と文化的資本の分析から-

Research Project

Project/Area Number 23531099
Research InstitutionJoshibi University of Art and Design Junior College

Principal Investigator

山田 朋子  女子美術大学短期大学部, その他部局等, 教授 (50331418)

Keywords学校改革 / 高等学校 / 教育支援 / 「諦め」意識 / 学力不足
Research Abstract

本年度の研究は、以下のように実施した。
過去の調査結果の分析を踏まえ、複数の高校訪問を実施し、学校における生徒の現状と支援策についての詳細を聞き取った。その結果、学力下位にある高校では「諦め」意識を持つ生徒の深刻な状況と、それが学力による劣等感や失敗体験だけでなく、生徒の様々な要因(家庭環境、保護者の意識、経済力、発達障害等)が重複し生じていることがわかった。それらの現状に対応するため、基礎学力の定着や、生活習慣の確立、社会性の育成、成功体験の機会確保など、多様な支援の取り組みが高校教育として必要とされることが指摘でき、そういった支援策に積極的な取り組みを見せ、成果を上げつつある高校の存在が明らかとなった。
一方、昨年度に実施したNPO法人「TFJ」(アメリカにおける教育困難な学校や貧困層の子ども支援のための新人教員派遣プログラムを持つNPO法人「TFA」をモデルにした日本での活動)の聴き取り結果を踏まえ、ハワイ州での「TFA」の活動を知る現地の教員に聴き取り調査を行った。また、昨年度のハワイ州での調査結果の分析を踏まえ、経済的文化的資本が少なく学力不足の生徒達への支援策を実施し、効果的な成果を上げる学校への訪問調査を実施した。そこでは、学校と地域社会が連携し、生徒自らがプロジェクトの中心を担うことで社会との関わり(社会に役立つ自己の存在意義)を実感できるプログラムが導入されている。
学会発表では、これまでの国内外の調査結果を踏まえ、特に学力下位の生徒の割合が高い高校での支援事例の分析結果を中心に研究成果を発表し、学会への論文投稿を行っている。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本研究の目的は、学校教育における支援によって、生徒の「諦め」意識を積極的な意欲に転換できる可能性を探り、高校教育での支援策のあり方を検討することである。
そこで、今年度実施した国内調査では、都市部だけでなく地方の学校における生徒の状況と学校毎の具体的な取り組みについて効果のある実践を明らかにすることができた。その結果として、さらに複数の積極的な取り組み校、また、地方教育行政機関としての新たな施策の動向が明らかとなった。そのため、研究はおおむね順調に展開しているものの、一部の調査を次年度に延長することで、その支援の成果をより詳しく分析することができると考える。
一方、国外での調査研究について、旧態依然とした学校での調査においては現状から生じている課題を確認し、新たな取り組みを行う学校で実施した調査結果と比較することで、生徒の現状に応じ工夫された取り組みが効果的であることを確認することができた。特に、生徒の意欲と自信を高めるためのプログラムとそれを運営するための学校長のリーダーシップおよび実行する教員の意欲と力量の具体的な事例を収集することができたことは成果である。また、昨年度着目した「TFA」の活動については、評価できる成果はあるものの、課題も多いことがわかった。

Strategy for Future Research Activity

新たな先行研究を適宜収集しつつ、今年度明らかとなった新たな取り組み校と地方教育委員会での施策について聞き取り調査と資料収集を行い、研究結果を分析し、全体の総括を行う。
調査対象について、国内については、都道府県教育委員会における施策の方向性を探り、本研究課題に関連する新たな取り組みを抽出し、実践校への訪問調査を行う。国外では、昨年度から着目しながらも、諸事情によって実施できなかった「KONIOSHIKI基金」での支援状況の調査を加えて実施する。
加えて、昨年度に続けて、関連学会での研究成果の発表と論文作成および投稿を行う予定である。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

平成23・24年度に学校調査を、平成25年度は補足的な調査と生徒の問題に学校が取り組む対応方法の分析をすることで、学校教育で一般化できる有効な支援策をまとめる予定であった。しかし、調査の結果、注目すべき複数の取り組み校を新たに発見したため、計画を変更し学校調査を行うこととした。このため、補足調査及び支援策の考察とまとめ、発表を次年度に実施することとし、未使用額はその経費に充てることとする。
計画内容を実施するに当たって、訪問校への調査及び聴き取り調査の移動に関しての旅費(宿泊費・交通費)、現地調査での移動に関してのレンタカー費用、交通機関での移動費、資料のパソコン入力や調査地での研究補助者の謝金、資料等の複写費・運搬費・購入費、考察とまとめに際しての専門的知識の提供費、研究成果発表のための学会会費及び旅費とする。

  • Research Products

    (5 results)

All 2014 2013

All Journal Article (1 results) Presentation (3 results) (of which Invited: 2 results) Book (1 results)

  • [Journal Article] 基礎学力向上・学び直しを重点とするエンカレッジスクール等2013

    • Author(s)
      山田朋子
    • Journal Title

      高等学校政策全般の検証に基づく高等学校に関する総合的研究

      Volume: 1 Pages: 177-191

  • [Presentation] これからの高校教育で伸ばす能力2014

    • Author(s)
      山田朋子
    • Organizer
      県立高校の将来像を考えるシンポジウム
    • Place of Presentation
      横浜平沼高校小ホール
    • Year and Date
      20140524-20140524
    • Invited
  • [Presentation] 期待される教職員とは・これからの学校運営と環境整備のあり方とは2013

    • Author(s)
      山田朋子
    • Organizer
      かながわ教育フォーラム
    • Place of Presentation
      神奈川県立相模原中等教育学校
    • Year and Date
      20131207-20131207
    • Invited
  • [Presentation] 高校教育における生徒に応じた支援策の在り方に関する考察2013

    • Author(s)
      山田朋子
    • Organizer
      関東教育学会
    • Place of Presentation
      玉川大学
    • Year and Date
      20131116-20131116
  • [Book] 教育の経営・制度2013

    • Author(s)
      浜田博文編著 山田朋子 他11名
    • Total Pages
      190頁
    • Publisher
      一藝社

URL: 

Published: 2015-05-28  

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