2013 Fiscal Year Annual Research Report
平和構築の教育における学校と地域社会の協働についての比較社会学的研究
Project/Area Number |
23531119
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Research Institution | Kyoto University of Education |
Principal Investigator |
村上 登司文 京都教育大学, 教育学部, 教授 (50166253)
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Keywords | ドイツの平和教育 / 平和構築 / 沖縄学習 |
Research Abstract |
2013年度は、ドイツのギムナジウムで行った面接調査結果を基に、2009年度に実施したギムナジウム生徒(476名)に対する平和意識調査結果を分析して、論文にした。ドイツの平和教育に関して次のようにまとめられる。①ドイツの生徒は平和貢献意識は高いが、反戦平和意識は日本ほど高くない。②学校ではナチス時代への反省を促す歴史教育、またホロコースト教育が実施されている。③国内各地にナチス時代の遺跡が追悼教育施設として保存されており、説明パネルが設置されて、校外学習に利用されている。④ドイツ統一後20年が経った現在、生徒の平和意識の中には旧東西ドイツの分断の影響はほとんど残っていない。⑤ドイツ統一以降、国内の論議と議会での審議を経てドイツ軍がNATO軍の一員としてコソボの空爆に参加したり、アフガニスタンに派遣されている。ドイツ軍の国外での活動が、生徒の軍隊についての意識に影響を及ぼしたものと推察される。 本学附属学校の教員と合同で沖縄実地研修を行い、沖縄の平和教育実践について現地の学校教員と交流した。沖縄内部の人々が抱えている基地問題の複層制とそれを教える難しさを認識した。二つの附属中学校における沖縄修学旅行、小学校から高等学校までの平和教育実践を比較検討した。子どもの発達を小学校前半と後半、中学校、高等学校などと4段階の発達ステージに分け、平和教育の学習目標を三つの観点に分けて整理した。平和構築のための教育について、発達ステージごとに、子どもに形成しようとする資質・態度・能力がいかに構成されるかを提案した。その学習目標と、授業づくりの実際について解説した教師向けの『平和教育の授業づくり』を2014年7月に発行する予定である。
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Research Products
(2 results)