2013 Fiscal Year Annual Research Report
地方におけるいじめ被害者への有責性意識とプライバシー防衛志向に関する研究
Project/Area Number |
23531127
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
竹川 郁雄 愛媛大学, 法文学部, 教授 (60236445)
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Keywords | 青少年問題 / いじめの傍観問題 / いじめへの大人の意識 / 年代別いじめ意識 |
Research Abstract |
愛媛県松山市と大洲市の一般市民を母集団として、松山市及び大洲市の選挙人名簿よりサンプリングを行い、郵送調査を実施して、有効な回答者は松山市445人、大洲市296人、合計741人で回収率35.3パーセントであった。その結果、「いじめに気づいたが、自分がいじめられるといやなので、知らんぷりすること」について、「やむを得ない」と回答した人は、世代が若くなるにつれて多くなり、20代では3人に2人が「やむを得ない」と回答している。今後ますます傍観者的意識が増加することが予想され、まず、大人の意識を変えていくことが必要となる。その他、いじめ被害側への有責性意識でも、同様の傾向が出ており、大人への意識変革を促すことの重要性が指摘される。また、居住地が密集している市街地に住んでいる人ほど、いじめへの傍観者的意識を持つ傾向が出ている。市街地では日々多くの人と接する機会が多いので、さまざまな人間関係の摩擦が生じるために、他者に関わろうとしないことが対人関係のモラルとなる傾向があり、そこからいじめへの傍観者的態度が発生していると考えられ、人口密集度の違いが、いじめを中心とした青少年問題の発生に影響を与えていると考えられる。 いじめが深刻化するのを防止するために効果的な働きかけについて尋ねた質問では、人権教育やいじめの予防教育は、選択肢の中では選ばれていない方で、いじめの効果的な防止という点では、他の項目より印象が薄いからだと推測されるが、DV(夫婦間暴力)や児童虐待が人権擁護の立場から一定の効果を上げている現状では、今以上に重視されるべきだと考えられる。子ども間でのいじめ防止のために、親となる大人に対して豊かな人権感覚を持つように啓発していくことが重要であることを指摘した。
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Research Products
(1 results)