2013 Fiscal Year Annual Research Report
高等教育におけるサービス・ラーニングと国際協力活動の循環的な質向上に関する研究
Project/Area Number |
23531141
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Research Institution | Wakayama University |
Principal Investigator |
藤山 一郎 和歌山大学, 国際教育研究センター, 特任准教授 (70388106)
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Keywords | 国際協力 / サービス・ラーニング / 高等教育 / 開発教育 / タイ / インドネシア / 援助 |
Research Abstract |
最終年となる本研究では、サービス・ラーニングとしての国際協力活動の実践とそこからの知見を総括することが中心となった。 タイ・インドネシアにおける国際協力活動である。昨年度の両国を各フィールドとした海外体験学習に参加した学生が、現地で得た人的ネットワーク(カウンターパート)と課題をもとに、国際協力活動を企画した。支援分野はタイは特別支援教育機関に対する物的支援および交流、インドネシアは非正規小学校に対する教育開発と交流がメインであった。 その結果、タイでは特別支援教育に関する国際比較の視点と援助の有効性とその限界を認識するに至った。ここで鍵となるのは、障がい児童の支援をおこなう現地NGOとの連携内容と案件形成における学生の主体性のあり方であった。NGOとの事前の調整が学生と担当者との間で綿密に行われ、かつ基本的な案件形成が学生主体になったことにより、達成感とともに課題も認識し活動の持続可能性を意識するようになった。 インドネシアでは、事前の海外体験学習による訪問によって、支援対象となる学校およびステークホルダー(教師・児童・保護者)を認識した上で案件準備にとりかかることができた。裨益対象者を明確にしたことで、自身の活動が裨益対象者に与える効果がきわめて限定的であることを想定することが可能となり、当初より単発ではなく継続的な活動内容にすることを前提とした。ここで鍵となるのは、継続的なコミットメントを早い段階から認識したことであり、現地においてもそれを表明することによって対象者からの信頼性向上につながり、それが活動(支援)パフォーマンスの向上に寄与することがうかがわれた。 両国の国際協力活動による成果については今年度の後半に実施されたため、研究成果としては今後公表することとする。
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Research Products
(1 results)