2013 Fiscal Year Research-status Report
授業記録の読解方略に基づく家庭科における授業記録の方法の開発
Project/Area Number |
23531148
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Research Institution | Hokkaido University of Education |
Principal Investigator |
佐々木 貴子 北海道教育大学, 教育学部, 教授 (60322864)
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Keywords | 授業研究 |
Research Abstract |
本研究の目的は、家庭科における授業記録をもとに、その読解過程や方略(読み・理解のための活動・思考、知識等)について調査・分析し、授業記録をもとに授業分析をする方法を検討・開発し、さらにその活用方法を検討することにある。 昨年度まで、現場教員と学生を対象に、授業記録の読解活動(教師・学生の独話法によるプロトコル分析)を行ってきた。しかし、現場教員は授業記録を基に自身の授業を振り返ることに抵抗感を持つ傾向がみられたため、小・中・高等学校で家庭科を担当する教員を対象に調査した結果、大学時代に授業記録を基にした授業分析の方法などを学んだ経験がないこと、さらに現場において家庭科を担当する教員が学校に一人しかいないために、他の教員による授業評価が少ないことがわかった。 また、家庭科という教科は「食物」や「被服」に関する教育内容や教育方法、教材に関する研究が中心に行われてきた経緯があり、授業記録そのものやその読解に関する研究がほとんど見当たらなかったことから、本年度は将来、家庭科教員をめざす学生たちを対象に、家庭科における授業記録を基にその読解過程や方略(読み・理解のための活動・思考、知識等)について調査・分析し、読解を促進する知識の体系化を検討した。さらに、授業記録を基に授業分析の方法を検討・開発し、授業記録が授業改善に果たす意義を明らかにすることを試みた。 本年度は、学生たちに読解過程として、①映像記録を活用した省察、②文字記録を活用した省察、③観点別授業省察シートを活用した省察、④授業構造図の作成を通した省察の4つの方法を実施し、その後グループで討議をしてもらい、付箋紙を基に成果と課題を抽出した。多くのデータが収集でき、またそれをまとめる方法も学んだので、これからまとめをしていきたいと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
こでまで得られたデータから教師の実践知を抽出し、読者の知識の体系を構築し、授業記録の活用方法を検討することを計画していた。しかし、これまで得られたデータと新たに得られたデータをまとめる方法がつかめず、昨年度末に研修を受けた。その研修成果を基に、これまでのデータをまとめていきたいと考えている。 まとめるまでに至らなかったため、評価はやや遅れているとした。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度末に受けた研修を基に、これまでの研究結果を整理し、報告書等にまとめていく。また、これまでに得られた成果を学会や研究会で発表していきたい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究中に予定外の学校において、新たな視点での授業記録データを収集することができたが、そのことによりデータを整理し、分析するための手法を検討する必要性が生じた。そのため、データの分析手法や整理の仕方に関して研修を受けた。そのことにより、全体の整理が遅れたためである。 これまでの知見と新たな知見を踏まえた上で、研究結果を整理し、報告書等にまとめていくために使用する。
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